六ツ川の県立こども医療センターがこのほど、厚生労働大臣から「小児がん拠点病院」に指定された。全国で15病院が指定され、県内では唯一選ばれた。今後、支援体制や県内外の病院との連携を強化するなど、診療の中心的な役割を果たしていくことになる。
拠点病院の指定は、昨年6月に国が決めた「がん対策推進基本計画」に基づくもの。拠点に患者を集約し、質の高い医療を提供することがねらい。
昨年9月に厚労省が募集を行い、全国から37病院が応募。小児がん診療の実績や患者への教育・復学支援体制などの観点が評価された。その結果、15病院が指定を受けた。同センターは県内では唯一の指定。関東では東京都で2病院、埼玉県で1病院が指定された。期間は今年2月から2017年までの4年間。
同センターは、がん再発の診療実績や、横浜南養護学校を併設し、教育体制が整っていることが高い評価を受けた。
15歳までの子どもでがんにかかる患者は、正確な統計がないものの、医師らによると、全国で年間2000人前後とされる。診療を行う施設は全国で200カ所ほど。
同センターでは、11年に51人の小児がん患者を診療した。毎年、50人から60人で推移しているという。地域の病院では治療が難しいとされる人が同センターに来るケースが多く、患者は全国から訪れる。
支援体制を組織化
指定を受け、国からの補助金を得ながら取り組みを進める。4月からは、地域の医療機関や福祉施設からの相談に対応する「相談支援室」や在宅で治療を受ける患者のための「退院・在宅医療支援室」を設置し、支援体制を組織化する。また、地域で生活する患者のための「緩和ケア外来」の開設を検討。小児がんに関する研修を増やし、スタッフの充実も目指す。
関東全体の支援も
同センターでは「これまで以上に地域の医療機関と連携したい」としている。3月には東京、埼玉の病院と協議し、関東全体の支援体制も考えていく予定だ。
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