八幡町の老人クラブ「八幡町第一友和会」(宮内輝行会長)が取り組む空き地を活用した菜園作りが南区の地域活動補助事業に選ばれ、今年度、30万円の補助金を受けることが7月22日に決定した。この事業では6団体に補助金が交付されるが、同会は唯一の新規団体で、地域・世代交流を目的に活動していく。
「友和会」には地区の町内会「八幡町第一会」(新実演時会長)の高齢者83人が所属する。
町内会長の新美さんが地区内にあった約50坪の空き地を使い、畑作りを企画。農業経験のある友和会の会員が中心になる形で、2008年4月に空き地を所有者から無償で借り受けた。
ダイコンやキュウリなど、栽培が簡単なものから始め、15人の会員が水やりを行い、育てていった。収穫できたものは、会員の家庭に配布。友和会会長の宮内さんは「1年目は育っても小さいものばかりだった」と振り返る。
栽培方法を勉強し、次第に品種を増やした。今ではジャガイモ、オクラなど、年間15種類を栽培。土に栄養が行き届いたことで、作物が大きくなったという。今年も各会員にキュウリが2本配られ、「一夜漬けにするとおいしい」など、評判も良い。宮内さんは「とれた物を家に届け、そこで体調や最近の様子を聞くことができる」と菜園が地域をつなぐ存在になっている。
平均年齢77歳
開始から5年が経過し、課題も多い。友和会会員の平均年齢は77歳で新しい担い手探しは急務。また、種の購入などに年間6万円がかかっており、費用が重荷になっている。菜園維持のために会費を値上げすることは難しいという。
健康増進図る
そこで、同会は菜園作りを通し、会員の健康増進を図り、住民の交流を深め、世代間のつながりを持てるようにと区の補助制度への申請を行った。
この「みなみ・ちからアップ補助金」は、11年度から始まったもの。自治会・町内会と連携し、地域の課題解決に取り組む団体に最大30万円の補助を行う。これまでに高齢者の生活支援や自然環境作りなどを行う9団体に補助金を交付。12年度から補助を受ける六ツ川地区の「朝市サロン」は月1回、公園で野菜販売を行う。毎回100人以上が集まり、地域をつなぐ役割を果たしている。
唯一の新規交付団体
今年度は友和会を含む6団体から応募があり、20万円から30万円が交付されることが決まった。3団体は11年度から、2団体は12年度からの継続で、同会が唯一の新規団体となる。
補助金交付決定を受け、宮内さんは「農機具や倉庫を整備し、作業をしやすいようにしたい」という。さらに「子どものサツマイモ掘り体験などで、家族で参加してもらえる仕組みを作りたい」と町内全体から協力者を募る方針だ。
「ちからアップ」を所管する区役所地域力推進担当では補助制度について「応募に至らなかったが、相談されたケースもある。地域活動が活発になるようにしたい」と新規団体の掘り起しに力を入れる意向だ。
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