9月から南警察署の署長に就任し、区民の安全を守る 中野 良則さん 大岡在住 57歳
親しまれる”おまわりさん”
○…32年前、警察官として最初に勤務した南署でトップを務めることになった。「南署周辺の建物は変わっていても、庶民的なまちであることに変わりはない」。30年ぶりに感じる弘明寺周辺の雰囲気は、駆け出しだったころと同じだという。署員には「安全・安心を実現することが我々の責務。住民側に自ら入っていかなければいけない」と積極的にコミュニケーションを図ることの必要性を説く。
○…大阪の道頓堀川そばの鉄鋼材問屋で生まれ育つ。大学卒業後は東京で機械工具の営業を2年半経験。売れなければ給料が上がらない状況で「期間は短かったが、あの時の民間企業の厳しさが自分を鍛えてくれた」。警察官だった妻の父の勧めもあり、警官の道へ。最初に配属されたのが、南署のそばにあった弘明寺交番だった。「署長が交番の前を通るので、いつも立ってなくてはいけなかった」と苦笑い。鎌倉街道を走る暴走族や駅周辺で騒ぐ酔っ払いの対応に追われる日々だったが、商店街の店主から「店にも寄ってよ」と声をかけられたことが、住民とのふれあいの大切さを知るきっかけになったという。
〇…阪神・淡路大震災の時は機動隊員として現地に。初めて署長を務めた山手署では東日本大震災を経験。周辺が停電する中、電気がつく警察署は、住民の待ち合わせ場所になっていた。「もしもの時に安全・安心な場所でなくてはならない」。2度の震災から危機管理の重要性を強く感じた。
〇…動物を見るのが好き。家ではスピッツを飼い、散歩に連れて行くのが楽しみ。現在は官舎での生活で、食事は自分で作る。「山手署の時は、スーパーで買い物中、近所の人に『あら署長さん』と肩を叩かれて恥ずかしかった」と笑うが、今回も商店街内で惣菜を買おうかと思っている。「”おまわりさん”と呼ばれたい」と署長になっても住民にとって身近な存在でありたいと願い、警察官としての出発点で地域の安全を守る。
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