木造住宅が密集している中村地区の6自治会・町内会が9月24日、震災時の火災被害を最小限に食い止める決意を示す「減災取組宣言」を行った。このような宣言は、市内で初めて。6自治会は今後、消防署や区役所と協力し、訓練などを通じて「自助」「共助」の意識を高めながら減災を実現していく。
木造住宅が多い地域では、大地震で火災が発生した場合、延焼が一気に広がる危険がある。市の地震被害想定によると、震度5強から7の元禄型関東地震の場合、南区では火災によって1万1795棟が焼失し、254人が死亡するとされている。想定焼失棟数、死者数は、いずれも市内2番目に多い。
市消防局では、木造住宅の火災対策を最重要項目に掲げている。これを受け、南消防署では、古い木造住宅が立ち並ぶ中村地区の南唐沢会、唐沢協力会、平楽会、八幡町第一会、八幡町第二睦会、平楽スポーツメント自治会の6自治会・町内会に呼びかけ、連携して減災に取り組んでいくことにした。6自治会の加入世帯は約2600。広さは40・2ヘクタールで、人口は約6300人。狭い道路が多く、防災上の課題がある住宅密集地として、市から「いえ・みち・まち改善事業」の対象地域に指定されている。
「自助、共助の意識を」
宣言は、減災への意識を高めることを明確にしようと、市内で初めて行った。南唐沢会の吉井肇会長は「住民は道が狭く、木造住宅が多いという地域の特徴を意識している」とし、これまでも火災を想定して消火栓を使う訓練などを行ってきた。今後も初期消火を行う器具の取り扱い方法の周知や実践的な訓練を強化するほか、消防団員を増やすなどして、自助、共助の取り組みを進める。
南消防署の牧島敬行署長は宣言式で「私たちの命は私たちが守るという意識を強く持ってほしい」と話し、山口隆史区長は「火災被害を減らすための工夫を自助、共助の取り組みで具体化させたい」と自治会との連携を深める方針だ。
南消防署は今後、区内にある「いえ・みち・まち改善事業」の対象となっているほかの4地区でも同様の取り組みを進める意向で、南区の防災上の課題解決に力を入れていく。
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