2014年の幕明けにあたり、本紙は南区の山口隆史区長にインタビューを行い、区制70周年となった昨年の振り返りと今年の事業などについて聞いた。山口区長は、今年度の事業が順調に進んでいるとした上で、70周年を礎にした区の発展やにぎわいづくりを目標に掲げた。
(聞き手/本紙・門馬康二)
――今年度のこれまでの事業全体の評価と印象に残ることを教えてください。
「どの事業も着実に進んでいます。各連合町内会が特定の課題について話し合う『地区懇談会』に参加し、この懇談会が地域を動かしていると感じました」
――地区懇談会では、災害対策について話し合われたところが多かったです。
「16地区中7地区が災害対策をテーマにしていました。東日本大震災から間もなく3年、下町の人情の厚さや絆で支え合っていく、区民の自助、共助の意識を感じています。昨年は市の防災計画が改定され、区の防災計画も見直しました。南区は地震による建物倒壊と火災被害が甚大だと想定されていることを認識してもらうことが大事です」
減災で先進的事例
――災害の被害を小さくする「減災」を意識した取り組みも目立ちました。
「中村地区の6自治会が市内で初めて『減災取組宣言』を行い、震災による火災被害を最小限に食い止める決意を示しました。これは先進的な取り組みだと感じます。白地図に自分の避難路などを書き込む防災マップは地域防災拠点の訓練で配布し、好評です。ただ、拠点や町内会の訓練の参加率はまだ低く、訓練自体を知らない方も多いのではないでしょうか」
――昨年は市が待機児童をゼロにしたことが全国的な話題になりました。
「待機児童ゼロは大きな成果です。同時に『ゼロ』をこの瞬間だけで終わらせてはいけないという重い課題を背負いました。昨年10月現在、市内で231人(南区は2人)いる待機児童を再びゼロにしたいです」
――南区の子育て支援策はいかがだったでしょうか。
「地域の子育てサロンが全16地区に設置され、合計で20カ所になり、支援の輪が広がっていると実感しています。一方、保護が必要な子どもが多く、児童虐待防止のために、妊娠時から切れ目のない支援をしていくことが必要です」
――昨年の区制70周年事業を振り返って、どのようなことを感じましたか。
「南区の歴史が大変重みのあるものだと感じました。常に横浜の下町として人に優しく、絆を生かした地域、にぎわいづくりをしていただいていると思います。また、記念事業のために区職員がさまざまなアイデアを出し、努力してくれたことも嬉しかったです」
跡地利用で地域活性化
――14年度の事業について教えてください。
「『地域活性化』『減災』『健康』『子ども』の4つを柱にしていきます。今年から浦舟町で区庁舎建設工事が始まります。それに伴い、移転する現在の区庁舎、土木事務所、中村消防出張所の跡地利用が地域活性化に結び付くよう、所管の市民局を動かしていきます。利用方法は区民のみなさんとよく話し合っていくことが必要です」
――最後に南区民へのメッセージをお願いします。
「区民のみなさんが南区を愛していると実感しています。70周年の礎の上に、新たなものを積み上げ、区のにぎわいをつくり、発展させていきたいです。区役所と区民のみなさんが一緒になり、思いやりを持って、支え合う社会を作っていきたいと思います」
南区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|