地域作業所「こそあどぐるん」所長で施設と住民をつなげる活動を行う 藤澤 真人さん 中島町勤務 35歳
ふれあい生まれる福祉を
○…障害のある人が就労する作業所として2011年に開所した「こそあどぐるん」。主に手作りハンバーガーの販売を行う同所は地域住民がふれあう場として利用され、喫食やイベントを通した住民のつながりを生み出している。昨年から行う「笑呼市(エコイチ)」では「人の流れを大切にしたい。布を(施設に)持ってくる人と持っていく人との間でも、出会いが生まれてほしい」。そう願う表情は晴れやかだ。
○…港北区で生まれ育つ。幼稚園から小学生までは親に勧められた弦楽器、チェロの練習に励んだが「本当は外で遊ぶのが好きだった」と笑う。地元は自然が多く「タヌキが出るような場所。夏はクワガタを採ったりして遊んだ」とアクティブに動き回った。中学生からは人気漫画『スラムダンク』に憧れ、バスケットボール部に所属。高校では全国大会出場を経験するなど、学生時代は部活動に明け暮れた。「自分はほとんどベンチを温めていた」と、冗談を交えて笑いを誘う。
○…高校卒業を控えたころ「これから自分ができることは何か」と、自らのあるべき姿について自問自答。阪神淡路大震災を機にボランティア活動に興味を持ち、19歳で国際協力に携わる学生主体のNGO(非政府組織)団体に入った。当時、世界的に流行した「ハンセン病」への正しい理解を求める啓発運動をはじめ、韓国や中国、フィリピンなどのアジア諸国を渡り歩き、生活に困る人への支援活動を実践。「日本の福祉をアジアの国に普及させたい」という思いは、今でも人一倍強い。
○…「南区は昔ながらの商店街が残っていて人情味あるまち」。スタッフと一緒に買い物や散歩に繰り出し、顔と顔が見える関係作りを大事にしている。「人付き合いが苦手だったスタッフが、今では自分から人に声を掛けたりする」と嬉しそうな表情。今後も地域に寄り添いながら、障害のある人の一般就労に向けた橋渡しを進めていく。
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