南区さくらボランティアの会の代表で、さくらの保全活動を行う 石川 利郎さん 大橋町在住 70歳
美しい桜を次世代へ
○…大岡川の桜並木を守り、住民の憩いの場として後世に残すため、約7年前に発足した同会の代表を当初から務める。樹木医から学んだ知識を基に、定期的な桜の健康状態の確認のほか、落ち葉の回収や清掃などを行う。折れそうな枝が見られるなど、危険な状態の木を見つけた時は土木事務所に報告。切り落としの依頼などもする。「次世代に美しい桜を残すことが大切なテーマ。年々、行政との一体感が強化されていると感じる」と、手応えを口にする。
○…大橋町で生まれ育つ。「やんちゃ坊主だった」という少年時代は自宅前を流れる大岡川が一番の遊び場だった。「テレビゲームもなく、周辺も山ばかりだった。川遊びをしていると、”お巡りさん”に『気を付けてよ』とよく注意された」と笑う。大岡小を卒業後、南中へ入学。バレーボール部に入り、当時、大岡にあった県立商工高校時代には関東大会出場も経験した。「自分はベンチだったけど」と冗談交じりに語る。
○…輸出品の検査などを行う会社に就職後、効率の良い梱包、包装の方法などを考える「包装管理士」の資格を取得。全国の港に出向いて汗を流した。定年後に区役所で募集していた「さくらボランティア」に参加。代表を務めた理由を「『大岡川の目の前に住んでいるならやって』と頼まれたから」と恥ずかしそうに話すが、愛着のある地元と、自らも魅了され続けた桜並木への感謝の気持ちが、その表情に感じられる。
○…「この季節は桜の花付きが心配。風が強く吹かなければいいが」。花見シーズン目前となり、桜の状態が気になって仕方ない様子。体の健康のため、妻と一緒に夜の大岡川を散歩することがここ数年の日課。最近では1歳の孫娘と手をつないで散歩するという楽しみも増えた。「区民の財産」と誇らしく語る大岡川の桜並木を、孫が成長する将来まで、美しいまま守り続けていく。
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