小学生空手の全国大会で優勝者を輩出した「武蹴会館」の代表として指導にあたる 北島文人(あやと)さん 六ツ川在住 33歳
「人への優しさ」を地域へ
○…国内外の小学生が集い、4月に埼玉県で行われた空手の全国大会で、門下生3人が表彰台に。優勝者も輩出した。現役時代は華麗な回し蹴りを武器に、直接打撃制で行う「フルコンタクト空手」の全国大会を、史上最年少の20歳で制したこともある名選手。愛弟子の活躍には「自分が試合で勝った時よりも嬉しい。優勝が決まった瞬間は、思わず涙が出た」と嬉しそうにほほ笑む。
○…愛知県出身で、教育熱心な両親の下、幼いころは勉学中心の生活だった。「痩せていた」という少年時代は、野球をやっても「ボールが飛んで来ると怖がっていた」と笑う。そんな「頼りない」少年が空手を始めたのは中学2年の時。「強い男に憧れがあった」と、友人と一緒に日本のトップ選手が名を連ねる道場に入門した。週6日ある稽古も「最初は月に2回くらいしか行かなかった」と恥ずかしそうな表情を浮かべる。
○…ほとんど道場に顔を出さず出場した大会で惨敗し、秘めていた「負けん気」に火が付く。稽古への参加はもちろん、自宅から道場までの道のりを自転車で全力疾走するトレーニングを敢行。毎回タイムを計って自らを追い込み続けるなどの努力が実を結び、高校生で大人たちも集う「一般の部」の愛知県チャンピオンに輝いた。「格闘技は気持ちで負けたら終わり」。優しい瞳からは想像もつかない闘争心を内に秘める。
○…20代半ばから六ツ川で暮らし、2006年に別所に道場を開設。指導者として子どもから大人まで、幅広い世代に空手の魅力を伝える忙しい日々の中、「ハマっている」というのが釣り。休日は道場の”釣り好き”たちと海に繰り出すほか、指導員としての資格を持つスキューバダイビングに、妻と3歳になる息子を連れて行くことも。今後は空手を通して身に付けた「自分に自信をつけ、人に優しくする」という自らの信念を「地域に広げたい」と意気込む。
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