横浜市は木造密集地など、火災による被害想定が大きい地域内で建物を新築や改築する場合、燃えにくい構造にすることを定めた建築ルールを2015年度から適用する準備を進めている。南区内では中村や清水ヶ丘、大岡などの3地域が対象となる。市は7月から住民向け説明会を行い、ルールの詳細や工事に伴う補助制度について周知を図る。
東日本大震災を踏まえ、市が13年10月に見直した地震被害想定では、火災による焼失棟数が約7万7700棟だった。特に木造住宅が密集している地域で被害が大きく、南区は約1万1800棟が焼失すると想定され、神奈川区に次いで2番目に多い。
市は被害が大きい地域を指定し、新築、改築の際に燃えにくい建物である「準耐火建築物」にしてもらうためのルールを導入する。案では柱や壁などを石こうボードなどの不燃性の材料で覆い、外部からの火を最低45分間防ぐことなどが必要になる。対象地域はこれまでも建築基準法により、延べ面積が500平方メートル以上や3階建て以上の建物は準耐火建築物にすることが義務付けられていたが、新ルールは500平方メートル以下で2階建て以下の建物も対象となる。
市内の対象地域は南、神奈川、中、西、磯子の5区内の計1110ヘクタール。南区は中村町や唐沢、平楽、八幡町などと清水ヶ丘、庚台、三春台など、大岡や若宮町などの3地域の230ヘクタール。
市は準耐火建築物への建て替え工事などの費用を条件付きで最大300万円補助する制度を10月から行い、建物の不燃化を進める。
区内では新ルールや補助についての住民向け説明会が7月30日から3カ所で計6回行われ、同時に案への意見を募集する。市は過去10年の建て替え状況を考慮し、今後10年で地域内の準耐火率を現在から14%増やしたいとしている。
対象地域内のある町内会長は「この地域は単身の高齢者が多く、建て替えは少ないだろう」と市の計画通りに進むのは難しいのではないかとの見方を示した。
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