子育て中の親と子どもが利用する施設「さくらザウルス」が2004年に蒔田町に開設されてから9月29日で10年が経過した。子育て支援活動を行うNPO法人が市の補助を受けて運営し、現在は2カ所に施設がある。10年間で約11万人が利用するなど、施設は南区の子育て支援活動の中心的な役割を果たした。今後は子育てを支える人材育成を目指す。
「さくらザウルス」は南区が子育ての不安解消を目的に04年9月、蒔田町に開設。区が借りた店舗の1階を親子が無料で自由に遊べる場所にし、常駐するスタッフが子育て情報の収集や提供を行った。
準備段階から携わり、現在の運営者であるNPO法人さくらザウルスの横田美和子理事長=人物風土記で紹介=は「自分が子育て中に欲しかった場所を作るようにした」という。自由に遊べる場を設け、そこで知り合った母親が仲良くなり、子育ての悩みを相談することも多くあったという。
05年4月から市の「親と子のつどいの広場」事業となり、市の補助を受けたスタッフが運営するようになる。そのメンバーが06年10月にNPO法人を設立。08年5月には京急弘明寺駅そばに2カ所目となる「弘明寺ひろば」を開設した。
貸主の都合などで、蒔田町の「蒔田ひろば」は10年に、「弘明寺ひろば」は13年にそれぞれ榎町と六ツ川1丁目へ移転している。
現在の2施設は月曜日から金曜日の午前10時から午後4時まで開いている。同法人によると、開設から今年7月末まで2施設合わせて約11万人が利用。現在は約30人のスタッフが2施設の運営を担っている。
「ここに来ると安心」
昨年、区が3歳までの子どもの保護者に行ったアンケートでは、3人に1人がさくらザウルスを利用していたことが分かった。利用者からは「ここに来ると誰かに会えるので安心する」などの声が聞かれる。
市全体で子育て支援策が進む中、施設の役割について横田理事長は「育児で肩に力が入っている母親がリラックスできる場にしたい」と話す。今後は情報提供を充実させながら、「施設を訪れる母親らが地域で活動をする際の支援に力を入れたい」という。町内会主体の子育てサロンが区内に増えていることを受け、人材育成も意識し、「子育ての場」を作っていく意向だ。
南区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|