韓国で行われた「アジアパラ大会」のボート・ローイング競技で銀メダルを獲得した 品田 悠乃さん 清水ヶ丘在住 38歳
どんな時も前を向く
○…国際大会4度目の挑戦で悲願のメダルを獲得した。「1人乗り」の種目で挑戦した4年前の”アジパラ”は最下位。昨年の世界選手権では、「2人乗り」で大会に挑戦するも、経験不足を露呈しここでも最下位に。「技術が足りない分、練習で漕ぎ込んできた」と胸を張って臨んだ2度目のアジパラでの快挙に「レースで緊張してしまうタイプ。ペアの男性がポジティブな人で助けられた」と感謝の言葉を口にする。
○…新潟県生まれ。幼いころから足が内股になり、転びやすかった。「何年か経てば治るのでは」という思いもあったが、症状は次第に悪化。極端なⅩ脚に冷たい視線を送る人もいたが「友人がサポートしてくれた」と決して悲観的にならず、前を向いた。原因が分からず不安な日々を過ごしていた中学生の時、精密検査を受診。歩行障害などを伴う病気であることが分かる。「病気を知ることができ、これからしっかり向き合っていける」と受け入れ、ここでも前を見た。
○…高校卒業後、「両親に頼らず、都会に出て世界を広げたい」と厚木市へ。短大でコンピューター関連の勉強に励んだ後、電力会社に就職。電話対応業務などに携わる。20代後半で歩行に杖が必要になり、30歳から車いす生活となるが「転ぶ不安がなくなり、周囲の人と話しながら移動ができた。逆に視野が広がった」とプラスにとらえた。3年後に車の免許を取得すると「内向的な性格。自分を変えたいと思った」とボートを始め、積極的に人と関わるようになる。
○…平日は仕事を終えた後、自宅で筋力トレーニング。週末は相模湖で仲間と練習する。ストイックな日々を送る中、息抜きはカラオケ。国際大会では選手が集う宿舎で「陽気な欧州の選手と一緒になって歌った」と嬉しそうに笑う。夢は2年後のパラリンピック。「若い人がたくさん出てくるができることなら出場したい」と謙虚に再び前を向く。
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