地下鉄阪東橋駅や京急黄金町駅周辺のバリアフリー化に関し、検討を進めてきた協議会の地区部会が12月5日、対象地区の歩道や駅施設を改善させるなどの基本構想の原案を発表した。地域住民や障害者などの声を反映させたもので、来年春に案を国に提出し、2019年度までを目標に、改善策を進める。
市は06年12月にバリアフリー法が施行されたことを受け、歩行者が移動しやすい環境づくりを進めている。16年1月に浦舟町に区庁舎が移転されることなどから、阪東橋駅、黄金町駅周辺のバリアフリー化が必要と考えた。
検討協議会を13年7月に設置。市は周辺の町内会長や障害者関係団体の代表者、地下鉄、京急の担当者などを委員に選び、協議を開始した。バリアフリー化を図る施設と歩道や道路などの経路を決めた後に、市民から対象地区内の歩きづらい場所などの課題を募集。その情報を基に、3月下旬に委員らが実際にまちを歩き、課題を確認した。課題への対応策を道路や鉄道の事業者と協議し、基本構想の原案を作った。
原案は阪東橋駅を中心に北は黄金町駅、南は中村橋付近までを対象地域にした。道路や歩道、駅施設に関することなど、改善すべき73事業が取り上げられた。
点字ブロック整備
人や車が多く通る黄金町駅から新区庁舎方向へつながる藤棚浦舟通りについては、太田橋交差点の横断歩道手前や白妙町バス停に視覚障害者用の誘導ブロックを設置することや、歩道と車道の段差を改善することなどが盛り込まれた。
阪東橋駅に関しては、トイレに乳幼児用のおむつ交換シートや大型ベッドを設置するとした。車いす利用者から要望が強かったエレベーターの大型化は、市交通局と協議したものの、用地の問題もあり、「改善方法を引き続き検討する」との表現にとどまった。
原案の事業の中には、阪東橋駅4番出口付近の歩道の改善など、検討を進める中ですでに対策が講じられたものもある。
商品が歩行者の通路まで陳列されていることがある横浜橋通商店街に対しては歩行空間の確保を求めた。商店街側は「積極的に商店に注意喚起を行う」とし、すでに呼びかけをして、改善が進んでいるという。
19年度までに実施
原案は来年3月、国に提出される予定。基本構想の内容に対して各事業者が計画を作成し、19年度までに実施する義務が生じる。
都市計画が専門で、地区部会長を務めた横浜国大の大原一興教授は「新庁舎ができることで、まちに軸ができる。バリアフリーの意識を高めていくには、地元の盛り上げが必要」と話し、これからが重要だとした。
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