住民向けのパソコン教室「PCサロン」が今年で15周年を迎えた 大澤 健治さん 永田東在住 78歳
パソコンをもっと身近に
○…現代社会で必要不可欠となったパソコンを使う技術と知識。その基礎に触れ、親しんでもらおうと、自宅や地区センターを舞台にボランティア講座を行う。50代から80代まで、毎回10人近くが集うサロンは「それぞれの趣味の話で盛り上がり、教える立場にいながら一緒に楽しませてもらっている」と嬉しそうに笑う。
○…東京都の大森で生まれた。戦争が激化した小学3年生のころ、群馬県へ疎開。「B29が毎日のように上空を通過していた」と振り返る。戦後は東京に戻り、早稲田大学に進学。「これから伸びる産業だと思った」と電気分野を専攻し、卒業後は大手商社で発電所の営業などを担当。国内のほか、インドやサウジアラビアなど、海外との取引も数多く経験した。
○…約30年前、コンピューターを使った事務作業の合理化が世間で騒がれ始めた。自らは「仕事を通して自然と身に付いた」というパソコン技術を社内に伝える役割を担い、会社の昼休みに行われていた講習会で講師を務めたこともある。「仕事の中にどのようにコンピューターを取り入れていくのかを考えていた」。その蓄えた知識は会社を定年退職した後、地域でも発揮された。2000年に永田地区センターで始まった「PCサロン」は、15年の時を経て自宅やケアプラザでも開催されるまでに拡大。「昔はパソコンで何かを『作る』ことが主流だった。今はインターネットが普及し、『調べる』ことやコミュニケーションツールとしての役割が大きくなった」と時代の変化をしみじみ語る。
○…幼なじみの妻とは旅行先で海釣りを楽しむこともある。「今年の正月は妻がインフルエンザになってしまい静かに過ごした」と苦笑いを浮かべる。「外出する機会が少ない高齢者にとって、パソコンの必要性は高い。身近な道具として『家庭で生かすパソコン』を知ってもらえたら」。今後も地域に寄り添いながらその楽しさを伝えていく。
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