南区在住の主婦5人が製作するミニコミ誌『ほのぼの』が間もなく創刊15年を迎える。生活に関係する心温まる地域の話題を発信する情報誌は、読者からの投稿や地元商店、近隣住民や友人らに支えられて作られてきた。
『ほのぼの』は2000年4月に創刊。年間4回、季節ごとに発行している。内容は、生活に関係するテーマに沿った読者の投稿が中心。A5判15ページ前後で毎号630部を手作りし、15年間で60冊を発行した。南図書館や永田台コミュニティハウスなどで無料配布するほか、希望者に年間500円で郵送する。
創刊当初から活動するのは六ツ川在住で編集長の小沢康子さん=人物風土記で紹介=と佐藤とみ子さん(永田山王台在住)、大坪美波さん(永田南在住)。3人は創刊前、ミニコミ誌の製作技術を高めるための区の講座に参加。終了後に意気投合し、そのほか2人の女性と5人で「地域の思いを伝えるミニコミ誌を作ろう」と考えた。
広告で資金集め
創刊当初は友人らに取材を重ね、日常生活の中で感じる”地域の声”を集めて紹介した。表紙は「明るいイメージに」と小学生だった佐藤さんの孫が担当。原稿は小沢さんがパソコンで打ち込み、印刷は永田台コミュニティハウスで行っている。製作費用は、地元の商店や美容室などから1ページ2千円で集めた広告費などで賄ってきた。
編集長の小沢さんは「メンバーやさまざまな方の協力があって完成できた」と創刊時を振り返る。
投稿で身近な話題
同誌は毎号設定したテーマについて投稿を募り、それを紹介する「特集」をメーンにしている。今年1月に発行された第60号では、テーマの「医療と介護」に関する投稿が寄せられ、親の介護をする上で感じた心の葛藤や、娘の体調が急変した時に母親が感じた地域医療体制の充実ぶりなどが紹介された。
特集以外では、地域の読書会で出された「おすすめ本」の紹介、小学生の感想文、編集員の友人らが投稿する子育てに役立つエッセーなども掲載される。
愛読しているという70代の女性は「気になる身近な話題を的確にとらえてくれている」と話す。
08年に田中暁美さん、11年に川上弥生さん(ともに永田山王台在住)が加わり、5人で活動中。投稿が不足している時は、近所の主婦らとの立ち話から記事ネタを集めることもあるという。
現在は4月発行の第61号を製作中。小沢さんは「『人とのつながり』で投稿が集まるから続けられる。今後は若い世代の人が関心を持つテーマを取り上げたい」と読者層の拡大を図りながら、心温まる地域の「ほのぼの」した話題を届けたいとしていた。
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