来年2月に移転する花之木町の南区総合庁舎の跡地利用方針が市から示された。区庁舎跡地は民間業者の提案を参考にしながら活用法を公募し、売却か貸し付けをする。同様に移転する別所の土木事務所跡には、公園と周辺住民の要望が強かった地域ケアプラザを整備する方向で検討が進められている。
別所にケアプラザ
現在の区庁舎は区の中心部にあることから、周辺住民から跡地に公共施設を作ることを望む声が出ていた。市は今回示した方針の中で、区庁舎跡地の公共施設整備について「全市的な整備基準等から設置が困難な状況」と説明した。その上で、跡地利用は民間事業者の提案を参考にする「サウンディング型市場調査」と呼ばれる手法を用いるとした。この手法は民間との対話を通してノウハウやアイデアの提案を受けながら、活用方法を考えるもの。
売却か貸し付け
市は9月から民間の提案を受け付け、良い提案があれば、それを参考にして検討を進める。早ければ来年の庁舎移転と同時期に活用方法を示し、用途などの条件を付けた上で公募し、売却か貸し付けをする。
跡地に整備する施設は「南区民全体の生活の質の向上に資する施設」とされている。商業施設や病院などの医療機関はこれに当てはまるとみられる。マンションのような集合住宅について、庁舎移転を管轄する南区区政推進課は「一部の個人のための施設はそぐわない」という見解を示す。
現庁舎は移転直後から解体され、終了までに1年半がかかると予測される。
土木事務所跡に公園
別所の土木事務所の跡には公園などが整備される方針が出された。公園以外の敷地は、地域ケアプラザと保育施設の設置を目指す。区庁舎と同様のサウンディング型で民間から利用方法の提案を受け付ける。
サウンディング型について同課は「民間は市が持っていない情報を持っており、跡地の可能性を評価してくれるため」と導入の理由を説明。2013年3月に移転した戸塚区役所の跡地利用検討の際もサウンディング型の手法が取られた。
現在、区内に地域ケアプラザは7カ所ある。市は中学校区に1つのケアプラザを置くことを目標にしており、以前から別所地区の住民から整備を求める声が出ていた。同地区連合町内会の平戸善久会長は「明るい光が少しだけ見えた。町内の要望が強かったので実現してくれたら」と話す。
中村町消防出張所には要望が強かった特別養護老人ホームの建設を目指す。
同課は「(移転後も)切れ目のないように整備を進めたい」としており、民間の力を活用しながら計画を進める方針だ。
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