35年前に作られたご当地音頭「六ツ川音頭」を広めようと活動する六ツ川音頭普及会(東梅良成会長)が7月19日、音頭で使用する曲の再収録を行った。収録曲の演奏は、地元の邦楽団体「南区三曲会」が担当。録音機器の準備など、収録のサポートを地域のステージイベントで音響操作などを担当する「ステージみなみ」が行った。地域の力を結集してリニューアルされた六ツ川音頭は8月に完成する。
六ツ川音頭は1980年、六ツ川中2年生だった山田はるみさんが作詞。六ツ川が「引越村」と言われていたことや、「マンガ谷」などの場所、神社、寺の名前を歌詞に盛り込み、民謡を趣味にしていた六ツ川在住の五味嘉之さんが作曲した。歴史の面影を色濃く残した音頭は、六ツ川大池地区の行事で使われていた。
50周年で初披露
六ツ川地区ではその存在がほとんど知られていなかったが、昨年、創立50周年を迎えた同地区連合自治会で記念行事の準備を進めていた東梅会長が音頭の存在を知ると、11月、周年祝賀会で初披露。東梅会長は、六ツ川の生活の様子が分かる歌詞が住民のふるさと意識向上につながると感じ、CD作成などを通して地域に普及させたいと考えた。
音源が収録されたカセットテープは30年以上前に作成されており、音の劣化などで踊りにくいという声が上がっていた。音頭の再収録を考えた東梅会長は、地域情報紙で永田東の邦楽団体「南区三曲会」を知ると、2月に同会会長の大澤富子さんに曲の演奏を依頼。快諾した大澤さんは、テープを聞いてピアニストの長女と一緒に琴、三味線、尺八などの譜面をおこした。大澤さんは「地唄が専門なので民謡に戸惑いもあったが、(六ツ川の)みなさんの熱意を感じた」という。
「普及会」設立
東梅会長は4月、六ツ川地区と六ツ川大池地区の住民らで「六ツ川音頭普及会」を設立。録音に必要な機器の準備など、収録技術のサポートは大澤さんの紹介で、ステージイベントで音響や照明を担当する団体「ステージみなみ」代表の永井幸雄さんに依頼した。六ツ川に住む永井さんは「自分が住む地域を盛り上げるために役に立てれば」と引き受けた。
収録は7月19日に横浜青年館(睦町)で行われ、普及会、三曲会、ステージみなみから総勢15人が集まり、無事録音を終えた。今後は28日に歌と太鼓の音源が収録され、8月中にはリニューアルされたCDが完成する。
三曲会の大澤さんは、「一緒に作り上げたことで、新しい仲間ができた。地域の曲をリニューアルして演奏したのは今回が初めて」と喜び、同会が毎年12月に開催しているチャリティーコンサートでは、六ツ川の住民と踊りを交えながら演奏したいとしていた。
区が補助金
今回の取り組みは、地域の課題解決に取り組む活動団体として区の評価を受け、「みなみ・ちからアップ補助金」が交付されることが決まった。東梅会長は「皆さんが真剣に取り組んでいる姿を見て涙が出そうになった。ここからがスタート」と話し、地域一丸でリニューアルしたご当地音頭を広め、多くの人に聞いてもらいたいと願った。
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