神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
南区版 公開:2015年8月27日 エリアトップへ

南区の2人「マイスター」に 優良技能者として市認定

経済

公開:2015年8月27日

  • LINE
  • hatena
印鑑を彫る國峯さん
印鑑を彫る國峯さん

 市が優れた技能職者に称号を与える「横浜マイスター」に南区から大岡の印章彫刻士・國峯伸之さん(47)と六ツ川の和竿師・早坂良行さん(64)の2人が選定されたことが8月17日に発表された。國峯さんは、3年前に他界した父・正美さんも1996年に選ばれており、初の”親子マイスター”となった。今回の2人が加わり、マイスター54人(故人含む)のうち、南区在住者が市内最多の12人(同)となった。

 横浜マイスターは96年から始まった制度。市が優れた技能職者を「専門技術を身につけた職人」として選定し、技術の普及、継承を行っていくもの。これまでにクリーニング師や美容師、木工塗装士、調理師など49人が選ばれている。今年度は業界団体などの推薦を受けた國峯さんと早坂さんを含め5人が選ばれた。

父に続いた國峯さん

 國峯さんは、横浜商業高校卒業後すぐに父・正美さんが営むはんこ店「国峰印房」に勤務。「父を見て、もの作りに携わりたいと思った」と中学生の時に家業を継ぐことを決意していたという。印鑑の中に文字を並べるデザイン力などを見て学び、父の仕事を支えながら自らの技術を高めた。

 「10年で一人前」と言われる世界で20代のころから仕事の正確性と素早さが評価されていた。15年前からは、日本唯一のはんこの訓練校「県印章高等職業訓練校」で指導員を務めるなど、後進の育成にも取り組む。

 第1期のマイスターで厚労相から”現代の名工”として表彰された父が12年に他界。父の時代の常連客からは「息子さんなら任せられる」と仕事の依頼が続いていることが多いという。

 師匠でもあった父と同じ称号を得たことに「マイスターは目標だった。父から教わったことを多くの人に伝えていきたい」と話し、「今後も値段以上の価値を感じてもらえるようなはんこを作りたい」と目標を掲げている。

竿にかける早坂さん

 4歳から横浜に住む早坂さんは、中学時代に横浜港でクロダイを釣ることに憧れを抱き、竿を作り始める。

 19歳のころ、横浜駅近くの釣り具店で後の師匠と出会うと、その店の社員として働きながら和竿師を目指して修業に励む。

 その後、「自分が好きなことをやるだけやってみたい」と決心し、26歳で保土ケ谷区に「汐よし」を開業。実用性に優れた使いやすい竿を追求するため、休日は自ら海に繰り出し、作った竿で釣りをしながら製品の改良を重ねていった。

 40歳で場所を六ツ川に移すと「進化する実戦竿」をテーマに独自の装飾を施しながら、時代に合った竿作りに尽力。使いやすく長持ちするという早坂さんの竿の噂を聞きつけ、地方から訪れる客も多いという。また、培った技術や経験を次世代に伝えようと、91年からは横浜竿の製作教室を開き、これまで150人以上が卒業している。

 マイスター認定を受け、早坂さんは、「選んでいただいたことを機に、今後さらに身を引き締めて竿作りに励みたい」と語る。

竿を手に「火入れ」する早坂さん
竿を手に「火入れ」する早坂さん

南区版のトップニュース最新6

蒔田公園 久々に活気

みなみ桜まつり

蒔田公園 久々に活気

5年ぶり、踊りの花咲く

3月28日

防災学び 地域に伝える

蒔田中2年生

防災学び 地域に伝える

災害への備えなど発表

3月28日

森の保全団体に寄付

太田小6年生

森の保全団体に寄付

三浦での環境学習契機に

3月21日

蒔田公園 5年ぶり大舞台

みなみ桜まつり

蒔田公園 5年ぶり大舞台

23、24日 模擬店やステージ

3月21日

福祉避難所 課題浮き彫り

福祉避難所 課題浮き彫り

火防協研修で図上訓練

3月14日

子育て手続き スマホで

横浜市

子育て手続き スマホで

6月末、アプリ配信へ

3月14日

あっとほーむデスク

  • 3月28日0:00更新

  • 3月14日0:00更新

  • 3月7日0:00更新

南区版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年3月28日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook