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南区版 公開:2015年10月1日 エリアトップへ

国勢調査などを行う統計調査員を約40年間務めた 藤本 逸子さん 別所在住 79歳

公開:2015年10月1日

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自分を”無”にして信頼得る

 〇…国内に住むすべての人が対象となる国勢調査などの調査に40年以上携わった大ベテラン。10月1日から始まる国勢調査の調査票回収を前に「政治、経済がこのデータを基に動く。国民生活に直接関係する調査」と言葉に力が入る。75歳で統計調査員を退いたが、今でも多くの人に調査の意味を理解してほしいと願っている。

 〇…子育て中の20代のころから食品添加物に対する疑問を持ち、消費者運動を行っていた。公正取引委員会の消費者モニターを務めるなど、意見を直接伝える活動もしていた。知人の勧めで登録し、統計調査員になったのが30代。5年に1度の国勢調査以外にも家計、商業などの調査では、住まいのある別所から六ツ川、通町までの調査対象宅を歩いて回った。「調査の趣旨を理解してもらえるまで説明をする」と根気強く語りかけ、20回も足を運んで回答をもらったこともある。

 〇…調査員を長く続けるコツは「自分を”無”にして、対象者の顔や名前は憶えないこと」。調査は個人のプライバシーに関わる。無駄話はせず、相手に立ち入らないことが重要で、文字通りの”一期一会”を実践してきた。「私のことを覚えていた人に近所であいさつされても分からないの」と笑う。調査対象者の身の上話も聞く。「いろんな話を聞いて、自分の人間性が磨かれた」。ゆっくりと優しい語り口は、信頼を寄せた相手の話を懐深く受け止めるからこそ生まれたもの。「天性なのかも」と目を細める。

 〇…長年の調査員活動が認められ、2010年に瑞宝単光章を受章。趣味の華道では有名華道家・假屋崎省吾さんと机を並べて指導を受けた経験も。茶道や押し花などのほか、10年前から方言で昔話を聞かせるボランティアも行う。「話術はみなさんから教えてもらった宝物」という。「退屈する暇がないくらい、豊かな人生」と調査員時代の”無”とは対照的な個性を活かした人生を楽しんでいる。

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