新区庁舎の延べ面積は現区庁舎の倍以上となる約2万7千平方メートル。特に広さを感じさせるのは、戸籍課や保険年金課など、利用者が多い窓口が集まった2階だ。
現区庁舎は戸籍課などが入る2階の待合スペースが狭く、混雑すると、いすに座れず、受付の順番を立って待つ人がいるほどだ。新区庁舎は待合スペースが広がり、1月30日の内覧会に訪れた人からは「広くて銀行みたいだね」との声が聞かれた。
進む業務効率化
業務上の利点もある。これまで、業務に必要な書類の置き場が確保できず、やむを得ず事務スペースから離れた場所に置くこともあったというが、その課題も解消される。
現区庁舎は会議に使える部屋が6カ所と少なく、庁舎から歩いてすぐの民間ビル内に会議室を借りるほどだった。新区庁舎の会議室は15カ所に増えた。
移動時間が短縮
新区庁舎には土木事務所も入る。区の組織ながら、現在は庁舎から離れた別所にあり、職員は会議などの際に移動を余儀なくされていた。業務で区役所と関わりが深い南区社会福祉協議会やみなみ市民活動・多文化共生ラウンジが入る浦舟複合福祉施設は新区庁舎の目と鼻の先にある。両施設から現区庁舎へ地下鉄で移動する場合、往復で30分以上かかることもある。「移動に時間がとられなくなるのは助かる」と社会福祉協議会の職員は語る。
1月、同ラウンジの業務とは直接関係のない区職員から「自分ができるボランティア活動はないか」と申し出があった。今後、勤務後に庁舎からすぐ移動ができるラウンジ内で可能な活動を探していた。「今まではなかった動き」とラウンジ職員は歓迎した。庁舎移転は区職員の意識や行動にも変化をもたらしている。
場所の大幅な変更など、紆余曲折を経て実現した区庁舎移転。南区誕生から72年、歴史の節目を迎えるまであと4日――。
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