区庁舎移転に伴い、区民の要望を受けて2月から試験運行を始めた区西部発のシャトルバスの利用状況が明らかになった。開始約1カ月間の1日平均利用者は約72人で、市側が運行継続の目標とする120人の6割にとどまっている。利用状況調査は11月まで行われる予定で、区は西部地域の住民にシャトルバスの利用を呼びかけている。
シャトルバスは区庁舎移転を受け、2月8日から市交通局が有料(現金の場合220円)で運行しているもの。南永田団地と区庁舎を約50分でつなぎ、1日4往復している。
旧区庁舎には、南区全域からバスを乗り換えずに行くことが可能だった。しかし、浦舟町の新区庁舎へ六ツ川や別所方面から乗り換えなしで行ける路線はなく、西部地域の住民から直通便の新設を求める声が出ていた。
区が複数の事業者と交渉した結果、市営バスを運行する同局が南永田団地から六ツ川、別所を通り、区庁舎に行く便を新設した。
同局はどの程度の利用があるかを見極める必要があるとして、まずは1年間の試験運行とした。その後も継続運行するかの判断材料の一つとして、区庁舎前の乗降客数の目標を1日120人に設定。11月上旬までの利用状況を検証してから決めることにした。
同局が公表した運行初日から3月11日までの24営業日の総乗降客数は1737人で1日平均は72・4人。目標の120人の約6割にとどまっている。最も利用が多かった2月10日でも101人だった。
帰宅乗車が少数
南永田団地を午前8時50分に出発する第1便の利用が最多で全体の31%を占める。最も少ないのは区庁舎を午前9時50分に出発する便で最多でも7人、乗客ゼロの日も2度あった。区庁舎へ行く便の利用が全体の71・3%と偏っており、帰宅する際にシャトルバスを利用しない人が多くいることも分かった。
この状況を受け、区は永田みなみ台、南永田・山王台、六ツ川、六ツ川大池、別所の5地区にシャトルバスの利用を呼びかける回覧を配布するなどしている。
直通便の必要性を訴えてきた南永田・山王台連合町内会の岩田春男会長は「目標に対して厳しい状況なので、個別に利用を促す努力が必要になる」と話す。
同局は「試験運行後の継続運行は総合的に判断する」という方針だ。
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