4月から南消防署の署長として区民の安全を守る 太田 孝さん 56歳
チームワークで包み込む
〇…初の署長職に「チームワークで区民の安全・安心を第一に」と決意を力強く語る。南区での勤務は初めてだが、就任早々に行われた桜まつりの会場では、多くの人に声をかけられた。「人情味豊かで、温かさを感じるまち」と南区を評する。職員からは、明るい雰囲気だけではなく、仕事へのプライドも感じている。「安心して任せられる」と白い歯を見せる。
〇…千葉県出身。少年時代、海外出張が多い父を空港で見送るうちに、飛行機への興味を抱く。「飛行機を操り、空から広い世界を見たい」とパイロットを志し、航空会社はもちろん、自衛隊など、飛行機がある職場を夢見た。その中で消防局のヘリポートで働く高校時代の知人から誘われ、市に入庁。「消防にヘリがあるとは意外だった」と振り返る。結果的にヘリコプターの操縦に直接携わることはなかったが、今でも「やってみたい」と目を輝かす。
〇…入庁間もないころ、消防隊員として池に子どもが転落したという通報を受け、夜通し池の中を探した。結局、通報者の勘違いで子どもの無事が確認されると、現場にいた住民から労いの拍手と感謝の言葉が送られた。消防職員の過酷さと市民の期待の大きさを知った。以降、局内の予算編成やシステム導入に携わることが多かった。「現場の後方支援をする中でチームワークの大切さを感じた」。好きな言葉は「温厚質実」。「怒っている上司を見たら部下は委縮してしまうから」と署長として連携とコミュニケーションを重視する。
〇…家で父が料理をする姿を見た長男は、コックとして大使館で働くまでになった。「消防には興味がなかったようで」と苦笑い。旅行が趣味で年数回は京都へ行く。「路地裏などを歩くと魅せられる」。絵画鑑賞や1日1万歩を目標にするウォーキングでリラックス。「日ごろから災害への備えを忘れないで」と呼びかけ、区民とともに安全な南区を作り上げていく。
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