市立共進中学校(高橋浩二校長)の通級指導教室が4月で開設20年となった。同教室には比較的軽度の発達障害の特性がある生徒などが通う。教員は子どもの特性に合った学習を進め、生徒のコミュニケーション能力や自己肯定感を育むことにつなげている。
市内中学校で初
共進中の通級指導教室は1996年に市内の中学校で初めて開設した。南区のほか、中区、西区、鶴見区などの周辺区の中学で一般級に所属し、市特別支援教育総合センター=保土ケ谷区=で就学相談などを受け、言葉の理解や表現・発音の課題や学校生活で力を発揮するために支援が必要とされた生徒などが通う。市内の中学で同教室があるのは同校を含めて4校。
同校には「きこえとことばの教室」と「まなびの支援教室」があり、約150人の生徒が在籍。教員12人が生徒を主にマンツーマンで指導する。約120人の生徒が利用する「まなびの―」では比較的軽度の発達障害の特性がある子どもなどが週1回〜月1回、同校を訪れて指導を受ける。
生徒は自らが発する言葉と気持ちが一致しないことがあるため、「喜び」や「怒り」などの感情がイラスト付きで描かれたカードやパソコンモニターを使い、教員が生徒に語りかけながらその時に感じた心の変化と言葉の表現(カード)を結び付けるなどする。
「成長必ずある」
同教室代表の内山義則教諭は「双方で通じ合う会話を基本にしている」と話す。最初は自分の主張を話す気持ちだけが早ってしまっていた生徒が学習を重ねて相手の話を「聞く力」が付き、在籍する学校の集団に溶け込んでいくケースも多い。内山教諭は「本人なりの成長が必ずある」と話す。
高校に通級指導教室はない。きっかけをつかんだ生徒は学校生活への自信を深め、高校進学後に元気な姿を見せに来てくれることもあるという。「在籍する学校での生活を少しでも居心地良いものにすることが教員の役目」と内山教諭。今後も生徒と心を通わせながら、自らの生き方を切り開く子どもの育成を続ける。
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