1945年5月29日に発生した横浜大空襲を語り継ごうと活動する横浜商業高校の生徒が中心の団体「NGOグローカリー」が5月20日、地元の空襲体験者に当時の様子などを聞いた。生徒は空襲の傷跡が残る場所を歩くなどして調査を進めており、28日に市内で行われる「平和のための戦争展」で報告する。
「NGOグローカリー」は2014年まで横浜商業高校の部活動だった「グローカリー部」の意思を受け継ぐ生徒の有志団体。同部顧問を務めた鈴木晶教諭(現・横浜サイエンスフロンティア高教諭)が指導し、Y校生11人が所属する。
同団体は南区で空襲の被害が大きかったとされる場所に足を運ぶなどしている。西中町の普門院では、爆撃の高熱にさらされて割れた石碑などを見学した。副部長の阿部陽花里さん(2年)は、「体験していない高校生だからこそ感じられることもあると思う」と話す。
米軍機炎上を調査
Y校がある南太田2丁目には、戦時中に米軍機が墜落・炎上した記録がある。生徒は4年前から周辺住民への聞き込みなどを行うプロジェクトを進めてきた。
取り組みを知った永田北在住の金子順一さん(84)は、自分が見た当時の様子を伝えようと5月20日、米軍機が墜落したとされる場所で生徒や鈴木教諭と対面。金子さんは、米軍機が高射砲から放たれた砲弾を受けて炎上し、空中分解した破片が南太田2丁目周辺に飛び散ったという71年前の様子を生徒に話した。
脱出した米兵のパラシュートは木に掛かり、憲兵隊に降ろされて激しい暴行を受けていたという。金子さんは「米兵の恐怖で震えた表情が忘れられない」と語った。車塚蘭さん(3年)は「近くで起きたことを深く知ることができた。(金子さんの)思いも一緒に伝えていけたら」と話した。
NGOグローカリーは5月28日から5日間、かながわ県民センター=神奈川区=で開催される「平和のための戦争展」の初日に調査報告を行う。主催者や他校高校生の講演・報告もある。午後1時30分から4時まで(Y校生の報告は3時頃)。
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