市立横浜商業高校2年の原田桃子さんが核兵器廃絶や世界平和の実現を目的に活動する「高校生平和大使」に選ばれた。原田さんは全国の大使20人と8月13日からスイス・ジュネーブの国連欧州本部を訪問し、核廃絶を訴える署名を届けるなどして、平和を訴える。
高校生平和大使は、全国の平和団体が1998年から国連に派遣しているもの。
神奈川県では、県立高校の教職員らによる実行委員会が2005年から大使を派遣している。5月に行われた神奈川県の選考会で応募者36人の中から原田さんが選ばれた。今年は原田さんのほかに全国で20人が大使として活動している。
原田さんはY校の国際学科に通う。昨年、テレビで人気アイドルが世界の激戦地などをレポートする姿を見て平和について考えるようになったという。
大使になってから、広島で被ばく者の話を聞いた。「自分が体験したことを必死に伝えようとしていることが分かった」と感じた。
平和大使の応募者らで組織される団体「Peace Peace Peace」の活動に加わり、7月からは桜木町駅前などで仲間とともに核兵器廃絶を訴えながら署名を集めている。8月4日の活動では駅前に約1時間半立ち、英語も使って通行人に訴えた。思うように署名が集まらない状況もあるが、「長崎から横浜に引っ越してきた人や横浜大空襲を経験した人にも署名してもらい、話を聞くことができて良かった」と話す。
昨年11月にはY校の同級生と和歌山県で開かれた世界の高校生が集まる国際大会に参加。神奈川県の防災の取り組みについて英語でスピーチした。核廃絶への思いをその時に知り合った外国の高校生にも伝えているという。ほかにも、核保有国であるフランスの友人から核兵器に反対との考えを聞いたことも活動を続ける自信になっている。
「たった70年前」
ほかの平和大使とともに署名を国連欧州本部に届ける。現地ではドイツ語が中心だが「交換留学でドイツ人がクラスに来ていたので、あいさつ程度は話せるようになった」と訪問を楽しみにしている。「日本に核兵器が使われたのはたった70年前のこと。署名とみなさんの思いを届けたい」と話し、今後も平和を訴える活動を続けていく。
平和大使の派遣費用は市民の寄付で賄っている。実行委員会は「高校生の思いを後押ししてほしい」と呼びかける。寄付に関する問い合わせは実行委員会【電話】045・231・2479。
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