弘明寺商店街(長谷川史浩理事長)は外国人旅行客らを商店街に呼びこむインバウンド対策として、外国人留学生と課題などについて話し合うワークショップを8月5日に行った。市内商店街で2例目。同商店街は留学生からもらったヒントを参考に、訪日客獲得に向けた取組を検討していく。
2019年に横浜で開かれるラグビーワールドカップや20年の東京五輪で外国人旅行者の増加が予想されることなどから、市は今年度、訪日外国人を「新たな顧客」として商店街に取り込むインバウンド対策を強化する方針を示している。
ワークショップは市経済局からの提案を受けた同商店街が実施。横浜国立大学が協力し、同校に通う外国人留学生らに商店街内を自由に歩いてもらい、魅力の掘り起こしや外国人客を迎える上での課題などを探ることが目的だ。
同商店街で和菓子店を営む笹川泰広さんは「(外国人客は)それほど多くない」と普段の印象を話す。商店街はインバウンド対策のヒントを得て、活性化につなげたい狙いがあり、同様の取組は六角橋商店街=神奈川区=に続き市内2例目。
当日は中国、韓国、ベトナムの留学生6人が参加し、弘明寺観音や商店街内の店舗などを約1時間見学。天井が高いアーケードや地域の歴史を感じさせる商店街のたたずまいに「気に入った。住んでみたい場所」という意見が出た一方、商店街内に外国語で書かれた案内板などが設置されていないことから、中国人留学生からは「浅草などの観光地と比べて買い物がしづらい」という意見も上がった。
その後、店主らとの意見交換では、インターネット接続サービスWi-Fi(ワイファイ)環境の整備を期待する声もあった。
同商店街の長谷川理事長は「外国人にとっての『分かりやすさ』『入りやすさ』を意識できれば」と話し、外国語が記されたボードを指さしてコミュニケーションを図る「指さし会話」の設置を自身が経営するパチンコ店などで検討したいとした。笹川さんは「(Wi-Fi環境などに関する)知識を深めて、やりたい方向では検討していく」とした。
外国人の宿泊急増
15年の市内の外国人延べ宿泊者数は約72万人で、11年の29万人から2倍以上増えている。市は今年度、インバウンド対策を検討する商店街を対象に専門講師によるセミナーを行うなどの事業を進めている。
市経済局担当者は「今回のような留学生訪問に限らず、インバウンド対策に関する商店街の希望や質問を受け付けていく」と話す。
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