横浜市は南区弘明寺町や新川町などを含む市内の通学路の安全対策として、開会中の第4回市会定例会に1億円の補正予算案を提出した。10月に港南区で発生した登校時の児童死傷事故などを踏まえての対策。南区内では、日枝小学校と大岡小学校の学区にあたる計3カ所の通学路で総距離1・2Kmの「あんしんカラーベルト」(通称グリーンベルト)が塗り直される見込み。
スピード抑制効果
グリーンベルトは道幅が約6m以上の歩道と車道が分離されていない道路を対象に設置されるもの。緑色の路側帯を拡幅することで車道幅員を狭くし、車両のスピード抑制効果などが期待できる。
市道路局は、10月末に港南区で発生した登校中の児童の列に車両が突入して1人が死亡、6人が重軽傷を負った事故を受け、事故原因の究明を待ちつつも「1人の子どもが亡くなった事実は重い」とし、すぐにできる通学路の安全対策を検討。約1カ月でまとめた。
補正予算案で出された安全対策は市内33カ所にグリーンベルトを新設し、18区で同ベルトの補修を行うなどの内容。南区内では、大岡小学校学区の弘明寺町と日枝小学校学区の新川町1丁目から3丁目、二葉町1丁目から3丁目にあるグリーンベルトが計1・2Kmで塗り直される見込み。
市全体のベルト新設は約5・9Kmで、補修は南区の補修予定場所も含めて約18Km。ベルトの新設・補修を中心に、ガードレールや横断防止柵、路面標示などの整備も盛り込まれている。
地域の要望を反映
対策内容や補修などの実施場所は市立全341小学校に設置されている「スクールゾーン対策協議会」からの要望をもとに選定。同協議会では、学校をはじめ警察や区役所、土木事務所、保護者、自治会町内会など、通学路に関わる機関・団体が参加し、年1回、夏休み前に話し合いを行っている。
今回の対策は、各協議会から各区の土木事務所に出されていた要望を道路局が改めてヒアリング。その内容を踏まえて予算化した。南区内3カ所の通学路選定について、南土木事務所は、「スクールゾーンの中で(グリーンベルトの着色が)全体的に薄くなっている場所」と説明する。
市の安全対策予算化を受け、市立小学校長会の大塚俊明会長(山元小=中区=校長)は「現場を預かるものとしてありがたい」と評価した。大岡小学校の相澤昭宏校長は、「物理的な面の対策は行政にお願いし続けるしかない。(今後も)実効性の高い取り組みを期待したい」とした。
南区では11月、永田東で自転車に乗って道路を横断しようとした小学生が乗用車にひかれて死亡する交通事故が発生。現場は再発防止策として、南土木事務所が交差点中央部分の着色を行うなどの対応がされた。
児童の登下校見守り活動を行う大岡小学校学援隊の中馬秀一さんは「着色がされると児童への交通指導もしやすい。高い効果を感じている」と話す。
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