地域に根差した思いやりの心を広げようと、5月12日は「民生委員・児童委員の日」に定められている。現在、南区では270人の民生委員が活動。高齢者世帯への定期訪問などを行い、地域福祉を支えている。
民生委員・児童委員は厚労相から委嘱される特別職の地方公務員で、地域に住む子どもから高齢者までを支援する。児童福祉に関することを担当する民生委員・児童委員は「主任児童委員」とされ、「民生委員」とは主任児童委員を含んだ民生委員・児童委員を指す。
定数は各地域の世帯数などによって基準が定められており、南区の定数は280人。現在は270人が活動している。
民生委員は生活や福祉に関する地域の身近な相談相手として、行政とのパイプ役を担う。担当地域の高齢者世帯を訪問する見守り活動などを通じ、援助が必要な住民の相談に応じながら、福祉サービスの利用援助や情報提供を行う。
民生委員を20年以上務める南区民生委員児童委員協議会の大竹多喜男会長によると、近年は単身高齢者世帯が増え、定期訪問の件数が増加。近所付き合いの希薄化なども影響してか、訪問先の高齢者が「施設に入った」「入院した」「亡くなった」などの情報が20年前と比べて入りづらくなっているという。
同協議会では、月に一度の定例会で南区内16地区の事例を紹介するなどし、情報共有を図っている。話し合った内容は代表者が各地区に持ち帰り、委員に伝達。大竹会長は「一人で背負わず、みんなで相談しながら解決することを心掛けている」という。区全体の福祉ニーズの把握のほか、民生委員一人ひとりの負担軽減につなげている。
制度創設100年
現在は「民生委員・児童委員の日」に合わせ、活動を紹介したパネルが南区役所1階ギャラリーで5月12日まで展示されている。また、1917年の民生委員制度創設から100周年の節目となる今年、南区では記念式典が計画されている。
民生委員がその役割を十分に果たすには、住民の困りごとを早期発見する隣近所の顔が見える関係の構築が重要となる。大竹会長は「その活動を多くの人に知ってもらい、理解が深まれば」と話し、節目の1年で地域に思いやりの心の輪を広げたいという。
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