市職員の行動指針を実践し、特に顕著な成果を挙げた取り組みなどに贈られる「チーム横浜市長賞」。 今年度の受賞対象がこのほど発表され、保土ケ谷区の生活衛生課が選ばれた。区役所内で単独の課が表彰されるのは今回が初。他区の模範にもなる独自の「スズメバチ撃退法」が高く評価された。
この表彰制度は2011年度から実施されているもの。「市民から信頼されるよう誠実・公正に行動する」「市民の安全・安心を第一に行動する」などの市職員の行動基準を実践した部署に贈られる。今年度は6団体が「市長賞」に選ばれた。
駆除コストを軽減
例年、各区や市局単位での取り組みが表彰される中、今回初めて区役所内の一部署として単独受賞を果たしたのが保土ケ谷区の「生活衛生課」。同課では、1つ約3万円が必要ともいわれている「スズメバチの巣の駆除」(費用は原則区民負担)について、より低コストかつ安全に実行できる手段を模索。「女王バチ捕獲作戦(オペレーション8)」と題した、独自の方法を完成させた。
3年の努力、結実
元々、区内でのスズメバチに関する相談件数は例年100件前後。しかし地元には陣ケ下公園や保土ケ公園などスズメバチが生息可能な大きな緑地もあり、さらに気候や条件が整い大量に発生した際は、相談件数が倍増するなど、区民にとって脅威になっていた。
そんな中で事業化されたこのスズメバチ撃退法は、春先に巣を作り始める「女王蜂」をあらかじめ捕獲してしまう事で、刺傷事故などの被害を抑えようというもの。実現に際しては3年の年月を要し、焼酎と酢、黒砂糖と水を一定の割合で配合した「誘引剤」を開発した。さらに罠を仕掛ける高さや色なども徹底的に調べあげ、最も効率の良い「女王蜂捕獲術」を考案。これにより、今年度もこれまでに女王蜂564匹の捕獲に成功するなど、大きな成果を残している。従来は駆除業者に委託するしか対策がなかった生活衛生課で開発に当たった中心メンバーの1人、今関修一さん=写真は「スズメ蜂を駆除する手段を増やすことができて良かった。この方法を共有し、被害を少しでも減らせれば」と話している。
他区のモデルケースに
また、こうした成果を受け、金沢区で同様の捕獲作戦が始まるなど、他エリアのモデルケースとしても、注目を集めているという。
保土ケ谷区では捕獲した女王蜂を冷凍保存などで保管しており、標本にする事や展示会なども検討しながら、撃退法を広くPRしていく方策も検討している。
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