「子育て中の狛犬」をテーマにした写真展を開いた 山田木綿子さん 岩間町在住 52歳
計り知れない「狛犬愛」
○…3年半前に仲間との撮影旅行で訪れた福島県裏磐梯の神社の境内で目にした瞬間、一生涯の被写体にすることを直感した。自宅リビングに掲げられている大きな写真パネル。狛犬が子どもを抱える姿が収められたこの一枚が、主婦カメラマンのその後を変えた。4月に保土ケ谷公園内のギャラリースペースで本州各地を歩き、撮りためた子を抱える狛犬の写真展を催すと、神社や寺社で誰もが目にしたことがあるはずの狛犬の「子育て」に焦点をあてたユニークな展示に連日、多くの人が訪れた。
○…共に暮らす犬の写真をカメラで撮影するごくごく普通の愛犬家。仕上がりに納得がいかず、6年前に友人に誘われ区が主催した写真講座を受講。講師の写真に感銘を受け、講座修了後もその講師が主宰する教室に通い写真の世界にのめり込んだ。撮影会で訪れたある神社で狛犬にフォーカスを絞るとファインダー越しに見えた表情に魅了された。「優しい顔だな」。目線を変えるとそこには子どもの狛犬の姿。自身も2人の娘の母親「ぐっと身近な存在に感じちゃったんです」
○…保土ヶ谷駅東口の電気店の娘として生まれ、就職するまでの20年あまりをこの地で過ごした。18年前に幼馴染だった男性が仕事で偶然、自宅を訪れたとことを機に結婚。2匹の愛犬、1匹の愛猫と暮らす現在はカメラ講師として市内で活躍。「使われるな、使いこなせ」をテーマに、自身の経験から得た写真を楽しむコツを指導している。
○…「これは、一生懸命おっぱいを飲んでるの。こっちはお父さんが子どもを背中に乗せている。『育メン』ね」。数々の作品を手にし、語るその目は優しさに溢れる。月に1度の「狛犬撮影旅」は車のトランクに撮影道具とともに、歯ブラシを持参する。「鼻の穴にね、虫が巣を作っちゃうの。せっかくだから、きれいに撮ってあげたいじゃないですか」。狛犬に対する愛情は計り知れない。
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