保土ケ谷区版 掲載号:2016年5月26日号
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横浜市 産後うつ対策に着手 SOSキャッチ課題に

社会

 出産した女性の10人に1人がなると言われる「産後うつ」。児童虐待や育児放棄、自殺などに繋がる深刻なケースも報告され、医療分野では患者の早期発見に向けた対策の検討が始まった。こうした状況を受け、横浜市でも啓発リーフレットの作成に着手するなど本格的な対策をスタートさせた。

 産前産後のホルモンバランスの変化や、育児の悩みにより精神的に不安定になる「産後うつ」は、妊産婦の約1割が発症すると言われる。

 東京都が最近行った調査では、10年間で63人の妊婦が「うつ病」などを原因に自殺していたことが判明している。

 ほかの精神疾患と同様、対策には「早期発見・治療」が重要とされることから、日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会は来年改定する診療ガイドラインに「産後うつ」に関する具体策を初めて盛り込むことを固めた。精神科への通院歴や自傷行為の有無などを妊娠の初診時に問診でチェックし、出産後は複数回のメンタルチェックを行うことを視野に対策を検討する。

啓発物作成へ

 こうした動きを背景に横浜市では今年度、「産後うつ」に関する対策としてリーフレットなどの啓発物を作成する予定だ。担当課では「どのようなかたちになるかも含めて現在検討中。窓口や母子手帳などの活用も視野に広くご理解いただけるような配布法を選択したい」としている。

 一方、大阪府では今年2月に専任職員を置いた「産後うつ」の相談センターを設置。保健師などが電話相談に応じ、必要があれば精神科医などの専門家に繋ぐ体制を整えた。

医療機関などと連携模索

 早期発見については「うつ」ならではの難しさがあると話す専門家もいる。市内で心療内科などを営む池田信之医師は「自分が産後うつと気付かない人もいる。患者のSOSを漏らさずキャッチできる専門家による定期的なチェック体制に加え、本人の異変に周囲が気付けるよう妊婦の家族への啓発も必要なのでは」と話し、医療や行政など様々な分野が連携して妊産婦やその家族をサポートする体制づくりの必要性を説く。

 市は昨年度、医療関係者や助産師などの有識者を交えた検討会を行い、今後の対策について意見を集めた。「検討会でも各分野の連携の必要性を訴える声は多かった。具体的施策については今後のことになるが、全国の取り組みや動きを見極めつつ判断していきたい」と話している。

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