西谷町の農家・苅部博之さん(46)が9年ほど前から挑戦していたオリジナル葱の開発に成功した。同地域の在来品種「西谷ねぎ」にさまざまな品種を掛け合わせ完成した「苅部ねぎ」は根元が赤みを帯びたもので、4月12日(水)から苅部さんが作ったさまざまな野菜が並ぶ相鉄線西谷駅近くの直売所「FRESCO」で販売される。
60年ほど前から西谷町で栽培されている「西谷ねぎ」は、甘みがあり、柔らかく、風味豊かな「伝統野菜」だが、形が揃いにくいことや傷みやすいこと、通常の葱であれば8カ月から10カ月ほどの栽培期間が1年7カ月と長いことなどを理由に、栽培する農家が数少なくなっている。
守るのではなく発展が必要
この状況に「守り続けるだけではなく、発展させなくては」と、新品種の開発を開始。西谷ねぎに海外も含めた品種と交配を重ねる作業を根気強く続けた。
花が咲く時期が異なったり、採種できるまでに時間がかかることから、当初は「20年後くらいに完成すれば」と考えての挑戦だったが、昨年から赤い色彩がはっきり出てくるようになり、手応えを感じていたという。
3月に入り収穫した「苅部ねぎ」を普段から野菜を卸す飲食店関係者に提供すると高い評価を受けた。しかし、苅部さんは「完成はしたが、これからが始まり。改良を重ね、将来的には西谷ねぎを超えるものにしていきたい」と話す。
自らの名を冠した世界にひとつの野菜
江戸時代から13代つづく農家として23年前に就農した苅部さんは当時、横浜産の野菜の「ブランド力」が弱いことを痛感したという。ここに原点がある。「世界にひとつだけの野菜を」と、オリジナル野菜の開発を考えるようになった。
7年前、9年の歳月をかけ完成させたのが「苅部大根」。葉まで赤い大根を徐々に改良し、赤みを帯びた大根に仕上げた。今回の葱は2つ目の「苅部ブランド」となる。「『苅部ねぎ』が提供できるのは4月末までだが、多くの方に味わって頂ければ」と話している。問合せは苅部さん【携帯電話】090・2646・4147へ。
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