今井町の細野充孝さん(72)宅で、庭に植えてから70年余り経ち初めて実をつけたソテツを、3月1日号の自治会の広報紙『いまい』で報じたところ反響を呼んだ。自治会長の高野(こうの)彦市さんが、「今井だけのネタにするにはもったいない。ぜひ区民に知らせたい」と当紙に情報を寄せたのは3月。記者が細野さん宅を訪れたときは、すでに茶色く枯れてしまっていたが、ソテツ以外にも家の周りには昔の今井の様子が随所に残され、家族を大切に思う細野さん夫婦の姿が垣間見られた。
この実は正しくは種子で、ソテツは雄花と雌花が別の株につき、雄花は円柱形に、雌花は上部が羽状にさけ多数集まって球形になる。「今まで実をつけたことがないソテツが急に実をつけたから近所の人もみんな驚いていた」と話す充孝さん。16年前に家を建て替える際に、日当たりのよい場所に植え替えたのがよかったのか、特に手をかけるわけでもなく突然実をつけたという。
もともとソテツは充孝さんの両親が植えた。小学校6年のときに撮影した写真にはすでに雌株が写っており、「雄株はもっと古いから80年前かな」と充孝さんは語る。庭にはこのほかにも、充孝さんのお母さんが食べたみかんの種を庭に植えたら生えてきたというみかんの木もある。「最初はとてもすっぱくて食べられなかったけど、年々甘くなった。今では近所の人も楽しみにしていて毎年マーマレードを作っている」と雅子さんは話す。またお茶の木もあり、「新茶は天ぷらにして食べるのが最高においしい」と言う。
高野自治会長は「昔の今井の農家にはお茶の木があったが、建て替えにともない伐採することが多い。細野さんはしっかり庭の植物を残していて、昔の今井がそのまま残っている」と話していた。
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