星川の保土ケ谷公会堂の講堂が吊り天井の改修工事のため、5月1日から閉鎖される。東日本大震災で相次いだ天井脱落事故を受けた対応措置で、工期は来年2月末まで10カ月間の予定。
今回の改修工事は横浜市が2015年3月に策定した「公共建築物天井脱落対策事業計画」に基づき実施される。同計画では天井の脱落危険度、災害時に果たすべき機能の重要度などから改修の必要性のあった103の施設を分類。「帰宅困難者一時滞在施設」にも指定されている保土ケ谷公会堂は15年度から17年度に事業着手する「第1群」に位置づけられている。
同公会堂は1982年に開館。講堂の天井は建物上部から金属棒で石膏ボードを吊り下げるいわゆる「吊り天井」と呼ばれる構造だが、震災時には被害はなかった。今回の改修工事では建物の躯体と天井をフレームで固定。地震発生時に躯体と天井の揺れを同調させることで、脱落の可能性を低減させる措置を施す。
工期は5月1日から来年2月末までの10カ月間。同公会堂がこれほど長期間にわたり閉鎖されるのは2008年11月から5カ月間に渡った耐震補強工事以来だという。
「混乱はない」
同公会堂はここ数年、年間10万人程度が利用している。昨年度の講堂の稼働率は83%で年次行事での利用団体も多い。定期的な利用団体には公会堂の職員が説明し、花見台の「かながわアートホール」や岩間町の「岩間市民プラザ」、近隣区の公会堂などを代替施設として紹介している。
しかし相鉄線星川駅から至近で、600人近い席数を持つ同公会堂の講堂に比べ、アートホールは駅から遠く、市民プラザのホールの収容人数は180席弱と利用ニーズと合わないケースもある。
区は今回の工事に関し、昨年12月に区ホームページ上で「一時閉館のお知らせ」を公表。公会堂内にも掲示し、今年3月には市の広報紙を通じて周知を図った。
「利用団体からの問い合わせなどはなく、混乱はない」としているが、例年、同所でイベントを催しているある団体は、今年度も公会堂でのイベントを予定し、利用予約に訪れた際に、初めて長期閉鎖を知り、会場変更を余儀なくされるなど、一部では混乱も見られる。
同公会堂は長寿命化工事のため、10月から和室や会議室も閉鎖され、年末まで全館閉館となる。
保土ケ谷区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>