4月1日付で鶴見消防署署長に就任した 吉原 晴彦さん 保土ケ谷区在住 55歳
一体感ある消防目指して
○…市内最大規模の消防署のトップ。9つの出張所、286人の職員を束ねる。就任して一ヵ月あまり。各出張所の活動報告や危険物許認可などの処理など「追い回される」ように多忙な日々を送る。それでも、地元の特徴を的確にとらえ、鶴見の将来をしっかりと見据えている。「臨海部には国内有数の企業がある。震災や津波に備え消防計画の見直しを促したい。鶴見川も最近の異常気象でいつどうなるかわからない。川崎市など流域の消防署との連携を強化していきたい」。意気込みは十分だ。
○…1979年入局。公務員家族の中で育った影響から、同じ道を志す。農学部出身の知識を活かせればと消防局員を選んだ。でも実は運動が苦手。「周りにくらべてひ弱」だったと明かす。26歳ごろから約4年間は生麦出張所に勤務。当時は出張所を出た後、駅前の飲み屋へ通った。「今もあの店は残っているのかな。署長になってからまはだ行ってなくて。久しぶりに飲みに行きたい」。若き日々を懐かしみ、密やかな楽しみに顔をゆるませる。
○…休日は農作業にいそしむ。自宅の畑で里芋やトマト、キュウリなどを育てている。5人家族の誰も興味を持ってくれないので、いつもひとりで土をいじっているという。「収穫した後は私が手料理をふるまうんです。一応、おいしいと言ってくれますけどね」。ややさみしさをにじませながら語る顔は、署長から父親の顔になっていた。
○…生麦時代のように、時には酒を酌み交わしながら、署内の一体感を作っていきたいという。「命をかける場面でチームワークを発揮するためには、普段のコミュニケーションが大切。消防の組織はどうしても上意下達になりがちですが、互いを欠くことのできないビジネスパートナーとして、意見を戦わせていける対等な関係でありたい」。ゆかりある鶴見の地で、仲間との絆が深まっていくことを期待している。
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