東宝タクシー株式会社(大野清一代表取締役)=鶴見中央=がこのほど、横浜市と協力し、誰もが乗りやすい設計という国の基準を満たしたユニバーサルデザインタクシー(以下UDタクシー)を1台導入した。高齢化社会などに対応する交通バリアフリー化を目ざす。
UDタクシーは、補助ステップや車いすのまま乗り降りができるスロープなど、国が設定した基準を標準搭載した車両。介護専用ではなく、通常のタクシーと同様に街中での営業車として運用されるのが特徴だ。今年3月、日産のNV200バネットが初めて認定を受け、同社でもこの車両が使われている。
市内240台目標
導入は、国が進める交通バリアフリー化補助事業の一環で、神奈川県タクシー協会が横浜市に協力を働きかけ推進された。市内各社で今年度中に80台が導入予定で、3年間で240台を目標とする。鶴見区では東宝タクシーが初となる。
ドライバーは、バリアフリー研修を受講。車いすの使い方を学ぶなど徹底している。大野慶太専務は、「通常のタクシーとのすみ分けはないので、気軽に利用してほしい」と話す。
評判は上々
東宝タクシーでは、妊婦や乳幼児の親子連れなどに対し送迎を行う子育てタクシーも実施しており、UDでもチャイルドシート設置といった同様のサービスを展開。料金は通常のタクシーと変わらず、手を挙げて止めることもできる。
乗務員を務める山本明彦さんは、「運行開始間もないが評判は上々」と現場を語る。利用者からは「座席が広く高いので見晴らしがいい」「乗りづらそうと思ったが、実際は楽」という声が上がっているという。
促進に課題も
「見た目が今までと違うので、タクシーじゃないと思っている人が多い」と大野専務。そのため、街中を流しても呼び止められることが少なく、今後は周知が課題になる。
また、駅前のタクシー乗り場などのバリアフリー化が進んでいないこともあり、導入促進にはそうした施設などのハード面の整備も必要となる。同社では、「まずは利用者を増やし、良さを知ってもらいたい」と話している。
UDタクシーの問い合わせは、東宝タクシー配車専用ダイヤル【電話】045・504・0003。
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