区内の病院や訪問看護ステーション、介護事業者などが連携する団体「つるみ在宅ケアネットワーク」がこのほど、在宅ケア利用者に関する情報を網羅した連携ノートを作成した。「ノートを活用することで様々な機関が連携でき、利用者の安心につながれば」と関係者らは話す。
連携ノートは、つるみ在宅ケアネットワークの中で区内の主要医院の医師らも参加する推進検討委員会が作成した。在宅ケア利用者のかかりつけ医が病歴や薬の種類を書き込むほか、緊急連絡先として主治医だけでなく、連絡がつかなかった場合の緊急時対応医療機関を患者ごとに設定し記載。介護サービスの週間スケジュールなども一目でわかるようになっている。
同ネットワークを設立した鶴見メディカルセンター在宅部門の統括責任者・栗原美穂子さんは「在宅ケア利用者がこのノートを持つことで、その人がどんな状態なのかがわかり、在宅からの急な入院や病院からの退院時などの連携がスムーズになる」と話している。
地域医療の充実も
ノート作成は、「病院と在宅を結ぶ橋渡しになる」と関係者は期待を寄せる。さらに、区医師会が作成に携わったことで、一冊のノートを通して病院と病院や、病院と診療所などの連携も高まるなど、地域医療の充実にも寄与することが予想される。
区医師会所属で同センター理事長の原直医師は、「地域のかかりつけ医は多くの患者を抱えているなど、連絡がつかないこともある。急変した際、薬や治療の状況がわからないと迅速な対応が難しい。これがあれば、患者も家族も安心できるはず」と連携ノートの意義を語る。
消防などにも説明
各利用者への配布は今後、かかりつけ医が往診時に実施。初回は区内全病院など医療機関への見本分も含め600冊が作成された。
栗原さんによると、病院では看護師にも理解してもらおうと各病棟にも見本を設置。救急対応にあたる鶴見消防署や、地域住民に対して福祉や保健などの支援を行う地域包括支援センターにも説明を行っているという。
「今後使いながら、さらに検討や改良を重ねていく」という連携ノート。利用者の立場にたって、鶴見で安心して医療・介護を受けてもらえるように、それぞれの従事者が一丸となって取り組んでいく。
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