大学生らが中心となり東日本大震災の被災地を支援する事業「サンタプロジェクト」が12月1日から6日の日程で行われ、鶴見大学に在籍する大学院生や研修医も参加した。学生らは被災した中高生とともにメーン会場の沖縄県を訪問。5日には同大で解団式があった。
サンタプロジェクトは、「東日本大震災を忘れない」という思いをコンセプトに、関東学院大学の伊藤玄二郎教授が昨年立ち上げたもの。企画は県内の大学生らが中心となり、フィンランド大使館を通じて招致した同国政府公認のサンタクロースとともに被災地の子どもたちへの支援などを行っている。
鶴見大学は立ち上げから協力しており、昨年は歯学部の大学院生5人が参加。岩手県や宮城県などを訪れ、被災児らと触れ合った。
風化防ぐ
2回目の今年は、震災の記憶が風化しないようにと、被災地から最も遠い沖縄県を訪問。被災地からは青森県八戸市の光星学院高校と宮城県多賀城市の仙台育英学園秀光中等教育学校から4人ずつ、計8人の中高生が参加した。
沖縄訪問では、現地の自治会館などでイベントを開き、中高生による被災地の状況報告やサンタクロースによるパフォーマンスなどを行った。
「人の輪」継続を
「まだ記憶が鮮明なはずなのに、中高生たちは堂々としていた。伝えたい気持ちが強かったんだと思う」
同大から参加した櫻井敏継さんは沖縄での中高生たちの様子をそう語る。中高生が持参し、イベント時に発表した被災地の写真は、時間の関係で紹介しきれないほど大量にあったという。
櫻井さんは「ボランティアに参加して、いろいろなことを学び、第一に自分のためになった。震災の一番の教訓は人の輪の大切さだと感じた。こうした活動を継続することが何より大事になる」と感想を話した。
「悲しみ忘れないで」
鶴見大学で5日に行われた解団式には、同大短期大学部付属の三松幼稚園の園児や保護者のほか、区民ら約500人が来場。サンタクロースの住むフィンランドのロヴァニエミ市の関係者らも出席した。
中高生は「見慣れた光景がいつもと違ってショックだった」と被災直後を語り、内定の取り消しや勉強の遅れなどのストレスで体調を崩した生徒がいることなども報告。辛い状況にある中でも生徒たちは、「多くのものを失ったがそれ以上に温かさももらった」「助けてくれたボランティアや自衛隊の人が有難かった」と感謝し、「これから望むことをあえて言うなら、震災の悲しみを忘れないでいてほしい」と呼びかけていた。
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