区内7病院がこのほど、平日夜間と休日における救急搬送の受け入れから転院について、独自の連携ルールを設け運用を開始した。済生会横浜市東部病院が救急患者を受け入れた場合は、症状が安定後、連携先の病院に転院するという、この「鶴見区ルール」。重症患者の転院がスムーズになることで、ベッドが確保できるメリットがある。
連携するのは、重症患者を受け入れる救命救急センターをもつ東部病院に加え、汐田総合病院、佐々木病院、徳田病院、生麦病院、ふれあい鶴見ホスピタル、平和病院の7病院。ルール適用は、平日夜間(午後5時〜午前9時)と土日祝日に、東部病院が受け入れた場合となる。その他の病院が救急患者を受け入れたときは適用されない。
7病院は、2011年11月から翌年12月まで、横浜市救急搬送連携支援モデル事業に取り組んできた。同事業は、4カ所に受け入れ拒否された患者を東部病院が必ず受け入れるというもの。鶴見区では、病院間の話し合いにより、転院先を輪番制にするという独自要素を取り入れていた。
ルールはこのモデル事業を活用したもので、救急困難事案だけでなく、より搬送件数の多い平日夜間と休日に対象を拡大した形だ。
これまで東部病院では、患者の転院先を一人ずつ調整して対応。転院調整に要する日数は、平均で25日前後だった。適用後は「1週間以内」とみており、受け入れ数が倍増する見込みだ。
地域完結への一歩
病院は本来、重症患者を受け入れる高度急性期から、回復期、かかりつけ医などの種類があり、症状によって使いわけが必要。高度急性期の東部病院のベッド数を確保し、重症患者を受け入れやすくするというこの取り組みは、地域医療の流れを作る第一歩となる。
さらに、今後は区医師会や休日急患診療所から紹介での受け入れも実施予定。現在、区内では在宅医療や介護のネットワーク構築も進んでおり、そうした在宅ケアとの連携も強化することで、地域完結型の医療・介護システムを目ざす。
東部病院の長島敦医療連携センター長は、「救急患者の受け入れに支障がないように全国に先駆けて連携を進めている。ルールについて、理解と協力をお願いしたい」と話している。
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