横浜市は、昨年8月に死亡事故が発生した生見尾踏切について、1月21日に行われた地域の住民代表との検討会の中で、新設する立体横断施設のルート4案を提示した。市からは「横須賀線や京浜東北線の対策だけでなく、大規模にやりたい」と説明があったものの、用地取得に時間がかかるなど、実現に向けた課題も浮き彫りになった。
生見尾踏切は区内生麦にあり、JR京浜東北線、横須賀線、東海道線をまたぐ全長約40mの踏切。死亡事故は、昨年8月、付近に住む88歳の男性が、渡り切れずに発生した。
立体横断施設は、住民らの要望に応える形で、昨年9月、市が整備検討を発表。新設にあたっては、市道路局担当者と、生麦第一地区、同第二地区連合会、生麦駅前通り商友会、岸谷商栄会の2商店街の住民代表者らによる「生見尾踏切安全対策検討会」を設置。昨年11月に第一回が行われていた。
2案を精査へ
提示された案は、4案計6ルート(地図参照)。【1】は、京急生麦駅へ歩道橋をつなげる、【2】は鉄道用地の隙間を利用し、既設の人道橋につなげる、【3】横須賀線と京浜東北線だけをまたぎ新設、【4】は踏切を廃止し、踏切上に新設―とした。
市は検討会の中で、それぞれの案の長所と短所を説明。踏切を存続する【1】〜【3】は「将来にわたり事故のリスクが続く」とし、地下に貨物線のトンネルがあることや駅接続部分などを理由に、「施工の可能性に問題がある」とした。
さらに【1】と【3】は、北側に用地取得が必要なため完成時期が不確定とも話した。唯一踏切を廃止する【4】は、「用地取得がほとんどないため、最速で工事に着手できる」としたが、自動車の迂回が必要になるという短所を挙げた。
検討会に参加した住民からは、「踏切の近くに造ってほしい」「踏切を残したまま検討してほしい」などと要望があったほか、「貨物線の上りと下りの間にエレベーターが設置できないか」「ルート案の【3】から、既存の人道橋の駅に近い方に斜めに接続できないか」など、さらなる調査を求める声も上がった。
市はこれに対し、「用地買収せずに造るには道路の利用が不可欠」「踏切存続は用地取得が前提となるため、かなりの時間を要する」と話し、次回は【3】と【4】を精査した上、検討結果を報告するとした。
検討会は3月下旬にも開催予定で、一般住民向けの説明会は、2月22日午後7時から、生麦地区センターで開かれる。
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