東京地方税理士会鶴見支部支部長を務める 落合 俊彦さん 鶴見中央在住 58歳
地域支える「軍師」に
○…区内の小中高生に租税教育などを行う税理士会の支部長に、今年度から就任した。「世の中の仕組みを理解するには税金のことを知ってもらわないと。税は民主主義の根幹」。約130人が所属する鶴見の税理士のリーダーとして、子どもたちに重要性を説く。マイナンバー制度の導入や相続税の改正など、税理士にとって激動の一年となる。「どこまで地域の人に知ってもらえるか。働きかけていきたい」
○…税理士の父の背中を見て育つ。「顧問先の軍師的な存在。黒田官兵衛みたいでかっこいい」。大好きな戦国武将と重なる職業を志すことに、迷いはなかった。大学卒業後、下積みのため東京の税理士事務所へ。パソコンもなく計算はそろばん主体。確定申告の時期は何百人もの申告書を手書きで清書した。そんな苦労も「みんなやってたことだから」とサラリ。39歳で資格を取得し、鶴見中央にある父親の事務所を受け継いだ。「自分の頭で考えたアドバイスがピタっとはまれば、税理士冥利に尽きる。人と接するのが好きなんだと思う」。裏方で支える喜びを噛みしめる。
○…子育てを終えてから弓道をはじめ、今や2段の腕前を誇る。「最初は所作や形式を敬遠していたが、ひとつひとつの所作をその通りに動けば心が落ち着いていった」と魅了された。「日本人の持つ精神性が少しだけ分かったと先生に言ったら、『へえ、俺はまだわかんない』と言われちゃった」。ニヤリと歯を覗かせる。
○…「鶴見は多文化共生という独特の文化がある。外国人の方にもマイナンバーや租税についても伝えていかないと」。外国人在住者の多い鶴見は障害も多いと予想し、支部長として使命感に燃えている。高齢化が進む中、相続税などの相談会も開催予定。「弁護士など他の士業と連携して、不安のない地域社会を築いていきたい」。まちの「軍師」として、裏舞台から地域を支えていく。
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