様々な家庭環境を背景に、夕飯を子ども一人で食べるなど、孤食問題が取り沙汰される中、支援策として全国で広がりを見せる「子ども食堂」。一人親家庭で育った自身の経験を重ね、「応援したい」と、営むラーメン店で食堂を開いた店主が区内にいる。鶴見中央の「北海道ラーメン赤レンガ」代表・原賢美(かしみ)さん=人物風土記で紹介=だ。
同じ環境に発起
6人に1人が貧困――先進国である日本の現実を知ったのは、知人と訪れた静岡県の洋食店だった。
「そのお店が子ども食堂をやっていて、話を聞いて感動した」。自分と同じ環境で育つ子どもたちに、負けてほしくないと思った。
今は一国一城の主
仕事中の事故で父を亡くしたのは、6歳のとき。弟はまだ3歳だった。母はその後、息子2人を養うため、昼夜問わず働きつめた。
「3人でご飯を食べた記憶は、高校に入ってからくらい」と原さんは振り返る。淋しかった幼少期を乗り越え、今は一国一城の主として店を切り盛りする。
「同じ環境で育った自分が、こうしてしっかりと働いている姿を見てもらえれば」と話す。
セットを無料提供
毎月第4水曜日の午後5時〜6時に実施。しょう油ラーメンと餃子3個、半ライスを無料で提供する。
実は、1回目は来店がなかった。周囲に知られたくないという心理もあり、利用者が増えにくいという子ども食堂の課題に初めからぶつかった。「大きくではなく、細く長く続けたい。楽しみに来てくれるだけでいい」と原さん。詮索や押しつけはしないつもりだ。
対象は市内在住の一人親家庭の小学生20人。初回参加時は保護者も無料。次回は7月27日。前日までの予約制で、問合せ・予約は【電話】045・503・4046。
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