鶴見区内の救急出場が急増している。鶴見消防署によると、10月18日現在、区内救急出場の増加件数は昨年比697件。「過去に類のない伸び」で、救急隊が人手不足の事態となっていることから、同署はケガの予防を呼びかけるなど、対策に動いている。
救急出場件数は、毎年増加傾向にあるが、今年の増加は「過去最悪の緊急事態」と同署。過去5年では2012年の547件増が目立っていたが、今年はすでにそれを上回る。市内18区中でも増加件数は最多だ。
出場要請があるのは、半数以上が65歳以上の高齢者。急病による要請が最も多く、全体の6割を占める。特に鶴見は、高齢者が自宅で段差などにつまづき負傷して119番するケースが市内でも多い傾向にある。
背景に高齢化
高齢化により、救急出場は近年増加傾向にある。救急車をタクシー代わりにするなどの不適正利用は減少傾向にあるが、「容態が悪化し急病搬送されるまで病院に行かない人が多いのでは」と同署は急増の背景を分析する。
救急隊の対応にも影響が出ている。「区内各地域に配備される6隊は、1日出場しっ放し。人手が足りず現場到着までの時間も延びている」という。
重症化する前に
出場件数抑制に向け、同署は搬送事例からケガの予防対策がわかる冊子や、救急車を呼ぶべきかの判断を手助けするガイドを配布。地域住民の会合などでも、出場抑制への協力を呼びかけている。
また同署は、日頃の健康づくりへの啓発も重要視する。「熱が高いと思ったら早めに病院を受診するなど、重症化する前の手立てが必要」。「かかりつけ医」づくりや予防接種の呼びかけなど、区役所や医師会と連携して取り組むことも検討していきたいとしている。
「冬はインフルエンザやヒートショックによる要請も増える。適正な利用をさらに促していきたい」と同署は話している。
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