全国で高齢ドライバーによる事故が相次ぐ中、鶴見区内で運転免許証を自主返納する65歳以上の高齢者が増えていることが、鶴見警察署への取材で分かった。特に、10月に市内で発生した80代の運転手による小学生の死亡事故後は急増している。一方で、区内高齢者の運転免許保有者は約2万人に上り、同署は「運転に不安がある人はまだ多くいるはず。自主返納を勧めていきたい」と話している。
免許証の自主返納制度は、加齢で身体機能や認知機能が低下し、運転に不安を感じた場合などに、住所地を管轄する警察署や運転免許試験場で免許を返納できるもので、1998年から制度化された。
鶴見署で今年1月〜11月に自主返納した人は602人。昨年1年間の426人に対し、約4割増加した。特に、港南区で高齢運転者が子どもの列に突っ込んだ事故が起きた直後の11月は93人が自主返納。今年1月から10月までは月50人程度で推移していたが、事故後急増した形だ。
返納者のほとんどは高齢者。免許証を返還する代わりに、身分証明書として発行できる「運転経歴証明書」の申請者のうち、約9割が65歳以上。中でも70〜74歳が半数を占めている。
同署では、高齢者の事故を防止するため、以前から高齢者の住宅を巡回する際などに、自主返納を呼びかけてきた。増加の背景には、これまでの取組や港南区の事故が背景にあるのではと同署は分析する。
保有者2万人
自主返納は増加傾向だが、区内の65歳以上の運転免許保有者は、約2万3千人に上る。高齢運転者が加害者になる事故も、一昨年から微増傾向だ。同署は、運転を継続する人には講習などを実施しながら、自治会などで自主返納の呼びかけも続けるとする。
運転はしないが身分証として免許を手放せないという人向けには、運転経歴証明書の作成を勧める。経歴証明書は、身分証明として使えるほか、協賛企業・施設での優待もある(免許有効期間内の返納と手数料、写真撮影が必要)。同署は、「重大事故が起きてからでは遅い。体力に不安がある人などは返納を検討してほしい」と話している。
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