箏奏者としてシァル鶴見でのコンサートに出演する 加藤 侑子さん 駒岡在住 31歳
人々魅了する演奏を
○…シァル鶴見駅のカフェ「坐月一葉」でのミニコンサートが間近に控えている。共演するのは、自身と同じ寺尾中学・東京芸術大学卒の鎌田美穂子さん。「大先輩」と尊敬の眼差しを向けながら練習に励んでいる。「雰囲気のいい場所なので、音楽とともに空間自体を楽しんでほしい」。プロとして活動歴はまだ7年。鶴見で自らがメインとして出演するのは初めての機会だ。「演奏のチャンスをどう作っていくか、今はまだ模索しているところ。これから鶴見での演奏機会を作っていきたい」
○…子どもの時から音楽が好きで、「リコーダーのプロになりなさいって言われたこともある」と笑う。箏との最初の出会いは、8歳の頃。横溝屋敷であった箏の演奏を見かけ、憧れを持ったという。その後ほどなく、東京・神田を訪れた折、偶然箏店の前を通りかかり見入っていると、店員から「やってみないか」と誘われた。「始めたら本当に好きで楽しくて、のめりこんでいた」と振り返る。
○…「箏をやってるようには見えないって言われる。おしとやかな人が多いから」と笑い飛ばす。元気でよく通る声。活発な印象だが、実際日常もパワフル。演奏活動のかたわら、強豪・神奈川学園の箏曲部の講師として指導。さらに、週3、4日はトレッサ横浜で館内の案内係として勤務し、一日フリーになる日はほとんどない。両立が大変な毎日も、愛犬との散歩や、地元の銭湯での休息でリラックスしているという。
○…和楽器ながら、日本で箏に親しんでいる人は多くない。参加するユニットで「ルパン三世」など、箏のイメージを覆す楽曲にも挑戦し、「興味を持ってもらい、箏を広められたら」と語る。演奏家としての理想は師匠。「凛とした佇まいで演奏する人」と評し、目標の存在だ。「観客が集中して、会場がぴんと張りつめるような演奏をしたい」。人々を魅了する演奏家への道を究めていく。
|
<PR>