振り込め詐欺の被害を防止しようと、鶴見警察署や郵便局ら関係団体が協力し、小学生による啓発デザイン付きハガキの配布を開始した。区内約9千世帯に届ける。関係者らは「振り込め詐欺の被害を少しでも減らしたい」と意気込んでいる。
啓発ハガキは、区防犯協会や鶴見郵便局など、区民・企業からなる振り込め詐欺防止実行委員会によるもの。ハガキ代は企業の協賛を募り、区内18社が協力した。関係団体らで協議の上、鶴見中央や豊岡町のほか区内11地区の9千200世帯に配布される予定という。
獅子小・根本さんデザイン
デザインは、今年2月、鶴見郵便局が主催した「鶴見区民防犯デザインコンクール」で、最優秀を受賞した獅子ヶ谷小学校の根本花凜さん(6年)の作品=右写真=を活用した。
被害には遭っていないが、身近に電話を受けた親類がいるという根本さん。テレビや新聞で被害の報道を見るたび、「騙された人がかわいそう」と感じていた。
絵は、ATMを前にした高齢者から、犯人がお金を取ろうとしているところを描写。「そのでんわホントに息子?本人にかくにん!!」というコメントも添えた。長く描いた手に、「そうまでして騙し取ろうとしている人もいる」との思いを込めたという。
また、根本さんの作品は防犯ポスターにも利用。先に製作されたポスターは、区内50カ所の金融機関、130カ所以上のコンビニエンスストアに配られ、ATM脇などに貼られている。
鶴見警察署生活安全課は「大人が作ったものと違い、児童の絵はやはり目を引く。店側の防犯意識向上にもつながるのでは」と効果に期待する。根本さんは「一人でも被害を防げれば」と話す。
市内2番目の被害数
鶴見署によると、今年1月1日から8月24日現在の速報値で、オレオレや還付金などの振り込め詐欺の被害件数は40件。被害額は約1億1千180万円に上る。前年同期比でみると、12件・100万円増。件数は市内で港北区に次いで2番目、県内では5番目に多い数字となっている。
手口は、警察や銀行員を名乗り、「あなたの口座が犯罪に使われている」として、キャッシュカードを直接受け取りにくる「手交型」が増えているといい、鶴見署は警戒を呼びかけている。
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