生物多様性の保全を目指して、京浜臨海部にある16の企業緑地や池などでトンボの追跡調査をする「トンボはドコまで飛ぶかフォーラム」(吉田洋子代表)=事務局・神奈川区=が、「第5回生物多様性日本アワード」(イオン環境財団主催)で優秀賞に輝いた。県内初の受賞で、26日に東京都内で授賞式が行われる。
産学官民で連携
同フォーラムは、横浜市が取り組む「京浜の森づくり事業」の一環として2003年にスタート。現在は26団体と行政機関が参加する。自然の豊かさを示す指標とされるトンボの生態調査を通じ、環境エコアップを推進する環境団体だ。
毎年、夏になると京浜臨海部の企業・市民団体・行政・専門家が連携してトンボを捕獲、羽にマーキングしてから放ち「トンボがどこまで飛ぶのか」を調査し、研究結果をシンポジウムで発表してきた。13年には、横浜環境活動賞で市民の部大賞と生物多様性特別賞のダブル受賞に輝いた。
県内初
トンボ調査は、区内や神奈川区の企業の協力を得て始まった。この14年間で環境問題に積極的に取り組む企業は増えており、調査地域も臨海部から内陸部の中区や金沢区にまで広がった。シオカラトンボなどは倍以上に増え、以前は生息していなかった種類も確認されるようになった。
市内の小中学生を対象にしたトンボの調査体験会も継続。「大人にはない新しい発想を取り入れよう」と、今年度から学生部会を立ち上げ、学生たちも定期的に調査を行っている。こうした都市部における生物多様性の取り組みモデルが評価され、県内初となるアワード優秀賞に輝いた。
吉田代表は「14年間にわたる産学官民の連携した活動の成果だ」と喜び、「市民や中小企業向けのセミナーなどを開催して活動の裾野を広げていきたい」と抱負を述べた。
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