生麦中学校野球部がこのほど、横浜環境行動賞「ヨコハマ3R夢」推進者表彰を受賞した。7年にわたり学校周辺の清掃活動を継続したことなどが評価された。関係者らは「活動が認められた証」と喜びもひとしおだ。
同部が受賞した横浜環境行動賞は、市が推進するごみ減量の取組「ヨコハマ3R夢プラン」の推進に尽力した個人や団体に贈られる表彰。今年は個人339人と31団体が受賞した。
信頼回復へ
生麦中野球部が、学校周辺の清掃を始めたのは2011年のこと。当時、一部生徒による自転車通学やゴミのポイ捨てなどが目立ち、地域からの苦情が相次いでいたという。近隣に住む男性は、「公園にたむろする中学生が怖くて、外に出られないという人もいた」と振り返る。
こうした事態に対し、前年に赴任し、野球部顧問だった堂囿泰広教諭が発案したのが、朝練前の清掃だった。「ごみを拾う人は心を拾える人間。捨てるのは人を見捨てる人間」と説き、生徒たちと清掃を開始した。「地域からの信頼がなければ学校は成り立たない」。堂囿教諭はきっかけをそう語る。
他部にも波及
朝練前の30分間、午前7時ごろから始まる清掃は、部員がチームにわかれ、周辺のごみ拾いなどを行う。
開始から一年弱、野球部だけだった清掃活動は、朝練に取り組む他の運動部などにも波及した。現在は、陸上、バスケ、サッカー、テニスの各部が加わり、野球部とともに日替わりで清掃に取り組んでいる。
学区となるつつじヶ丘自治会の塚越正男会長は「まちがきれいになって、子どもたちがあいさつもしてくれる」と話す。
OB、住民も喜び
12月2日には、同部父母会が主催し、受賞記念の集まりも開催。現役部員のほか、OBや保護者など約90人が参加した。
清掃開始時に部員だった佐々木瑞生さんは「ごみ拾いを続けて甲子園に出場したという記事を見たことがあった。みんなでやろうという雰囲気だった」と当初の様子を述懐。近年、市大会の優勝や2年連続県大会出場など、活躍する後輩たちに、「ようやく実になってきた」と喜ぶ。
今回の受賞は、地域からの推薦によるものだったという。堂囿教諭は「地域や保護者の皆さんの理解、協力があってこそ」と謝意を示した上、「学校が認められた証にもなると思う」と、これまでの部員らの努力も労った。
受賞について塚越会長は「地域としても嬉しいこと。良い伝統として受け継がれている」と話した。
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