全国中学校剣道大会個人戦で県勢初となる日本一に輝いた 重黒木(じゅうくろぎ) 祐介さん 潮田中学校3年 15歳
心優しき剣豪に
○…「時間はたっぷりあった。慎重になれた」。決勝戦という大舞台でも平常心であれたのは、誰よりも練習してきたという自信があったからだ。昨年団体戦で日本一となり、名実ともに全国トップクラスの強豪となった潮田中学校男子剣道部を、主将として引っ張ってきた。「個人優勝の嬉しさより、団体で連覇を逃した悔しさが大きい。みんなと一緒に優勝したかった」。神奈川県の中学剣道界に初の快挙をもたらしても、満足することはない。
○…剣道一家の三男として生まれる。本格的に竹刀を振り始めたのは4歳のころ。道場で指導にあたる父や、稽古に打ち込む兄の姿を見て「カッコいいと思った。家でも素振りして兄に教えてもらった」と剣の道にのめり込んでいった。小学6年生で県大会優勝を果たすも、全国大会では初戦負け。「悔しくてもっと努力しようと思うようになった」。全国の舞台が剣道少年を大きく成長させた。悲願の団体戦全国制覇を達成し、新チームが始動した昨年。「先輩たちのようにみんなをまとめよう」。気負わず自分たちの剣道ができるよう、チームメイトには積極的に声をかけるよう心掛けてきた。
○…道場を離れるとカラオケやボーリングをワイワイ楽しむ、ごく普通の中学生。休日には剣道部の仲間と人気音楽グループ「GReeeeN(グリーン)」の歌をカラオケで熱唱する。強豪校の主将として勉強も手を抜かない。「学校生活をキッチリやらないと試合には出してもらえない。理科は好き」。文武両道で最後の中学生活を満喫している。
○…父同様、神奈川県警で剣道を続けることを夢見る。「普段は優しくても、試合になると強い」。そんな県警の憧れの剣士たちに近づくため、高校でも日本一に挑むつもりだ。「生活面もキッチリして、インターハイで潮田の剣士同士で戦いたい」。「克己心」の旗の下で切磋琢磨した仲間とともに、剣の道をまい進する。
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