鶴見大学と横浜市はこのほど、災害時に遺体の身元確認を行うため、同大の歯科医師らを市内各区に派遣する協定を締結した。歯型による円滑な身元確認や、そのための人材確保などが目的。両者は協定を機に「関係を強固に」と協力を誓い合う。
今回結ばれたのは、災害時における歯科医師等の派遣に関する協定。
同大に在籍する歯科医師や歯科衛生士ら約400人の医療者が、災害時、市内各区のスポーツセンターに設置される遺体安置所に派遣され、歯型や治療痕などによる身元確認を実施する。派遣先は、被災状況などを確認した上、市が指定する。確認に必要な資機材は同大が用意し、業務にかかる費用は市が負担。移動中に余震などで怪我を負った際の補償もある。
生前情報活用も
遺体の身元確認方法には、外見や所持品、指紋、DNA、歯型などが用いられるが、外見や所持品は間違いもあり、DNAは時間を要するとされる。
一方、人間の組織の中で最も固い歯は、災害における損傷死などでも残るケースも多く、比較的早い身元特定が可能とされる。
同大は2015年、横浜市歯科医師会と協力し、生前の歯科診療情報を蓄積して照合する身元確認のためのシステムを開発。特定作業にはこのシステムも活用される。
迅速な特定に
災害時の医師などの派遣は、県警察を経由して行われる。だが、人数の少なさや直接依頼できないなど点もあり、鶴大と協力することで、市独自に身元確認における人材の確保や、迅速な対応につながると市担当者は説明する。
締結式で前田伸子副学長は「市内の歯学部として協定を誇りに思う」と語り、市への協力に胸を張った。
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