連載寄稿 イルカ博士の生命感動日記 【15】子どもに感動を与える工夫
人間すなわち「生きる力」の根源は感性・感動であって、知性ではありません。赤ちゃんはヒトとして生まれ、その後、養育・保育によって10歳までに人間に仕上げなければなりません。その仕上げ方で、感動し感性ある豊かな人格のある人間に育てることができるのです。
この子どもたちの心の成長は生物学的にお母さん・お父さんという環境の影響を受けて発現するので善い環境刺激を浴びせるようにして育てることが大切です。そのためには『人間を人間らしくする』教育が必要です。よく赤ちゃんが生まれて「子育てに悩まなくてもなんとか五体満足に育つものだ」というような楽観的な考え方がありますが、からだにはホルモンなどによる「からだの恒常性」という復元する自己組織化のメカニズムが働き、わたしたちの細胞を守っているわけです。
ところが、神経は外界の環境の変化を瞬時鋭敏に受け取らなければいけないので心は外界から守られていないのであって、これがからだとの大きなちがいです。外界から守られていないけれども、心の総合機能が揺れないように自己調節がなされていなければなりません。からだの場合は生まれたときから自己調整機能がほぼ出来上がっていますが、心の場合には、10歳頃までの養育、保育、教育、しつけの過程の中で一定の時間をかけて整備されるように仕組まれているのです。ところがこの成長過程は環境の影響を鋭敏に受けますので、環境が適切でないと、自己調節がうまく機能しない人間になる可能性が起こるのです。
【日本ウエルネススポーツ大学特任教授・岩重慶一
(問)【メール】iwashige@gmail.com】
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